2023年2月南房ドライブ<本澤二郎の「日本の風景」(4719)
2023年2月南房ドライブ<本澤二郎の「日本の風景」(4719)
<お花畑が姿を消していた!コロナ禍4年目も変わらなかった>
地方はずっと死んだように静まり返っている。コロナ禍3年、さらに落ち込んでしまった。そんな厳しい地方経済の雰囲気を感じさせられた。2023年2月17日金曜日に柴崎豊平・福江夫妻に誘われて、ミニカーでミニドライブとしゃれ込んだ目撃談である。
南房総の見どころはご存知、露地栽培のお花畑である。そこへと首都圏からバスや自家用車で押しかける市民でにぎわう。新鮮な魚貝類の食事も。しかも、南房の気温は数度も高い。
路傍の菜の花は満開を過ぎていたが、肝心のお目当てのお花畑を見ることは出来なかった。姿を隠して3年なのか、4年なのか。わびしい南房で歓迎してくれたのは、1個150円のところてん。これはおいしかった。
<旧上総国望陀郡茅野村から君津・富津市へ山砂採取の乱開発いまも>
江戸期には茅が茂る場所から仏陀を仰ぎ見ると命名された茅野村から、一路富津市の金谷海岸へ。しかし、君津市というと、核のゴミを1万トンも埋設した産廃場も近くにあるらしい。美しい房総の山は、既にゴルフ場による乱開発の被害に遭っている。
君津郡市の水道である小櫃川もゆらゆらと蛇行しながら東京湾に注いでいるが、水質に重大な問題を抱えたままだ。君津市の小糸地区を初めて見た。そこから富津市へと向かうのだが、この間も山砂採取現場がいくつもある。ゴルフ場や山砂採取の乱開発を見ると、心が痛くなる。政治屋の蛮行でもある。
「故郷の山はありがたきかな」と詩人は詠んでいる。その通りだが、郷土を愛する房総人は、海を埋め立てられ、山を破壊する利権政治に対して気分はひどく悪いものだ。
相変わらず路上のギャングのようなダンプカーが突っ走っている。接触すると大事故になるだろう。
<金谷に大型バスが首都圏から10台近い=観光シーズンに心弾む?>
東京湾フェリーを初めて目撃した。大型バスが近くの土産店に10台ほど駐車、その都度、首都圏からの格安のバス旅行客が店内に飛び込んでくる。
観光業界の突き上げに対する政府や観光利権政治屋の努力の成果であろう。悪いことではないが、我々もそこで紅茶を飲みながらおしゃべりに花を咲かせた。先に、見事な昔ながらの味噌造りを見せてくれた夫妻の成果は、発酵食品の偉大な健康法にあると湾を見ながら持論を披露した。
東京湾もここからだと瓢箪のくびれの部分に相当する。陽気もいい。湾もないでいる。気持ちがいい。老いた二組の夫妻がこのような機会をつくれた幸運には感謝するばかりである。
<対岸には米軍アジア最大の海軍基地・横須賀が見える!>
しかしながら対岸の横須賀に目をやると、米軍の横須賀基地の存在に違和感を抱く。1993年3月に1か月の米国の旅の最中、元米海軍将校に「手放したくない日本の米軍基地はどこか」と尋ねた時のことを思い出した。
彼は即座に「海軍は横須賀」と明言した。そう、横須賀は彼らの手放したくない重要な海軍基地なのだ。原子力空母が停泊、修理もする海外の米軍基地の中でも有数の基地である。
911にかこつけたブッシュ大統領のイラク戦争は、核保有という嘘の情報を喧伝して強行したものであることが判明したが、そのブッシュの前でプレスリーの真似事を恥ずかしげもなく演じた小泉純一郎の地元である。彼の途方もないスキャンダルを知るものには、反吐が出るしかないのだが、特に戦争神社・靖国神社参拝は憲法に違反する。彼もまたカルト教団に操られていたことが新たに判明している。
米海軍横須賀基地に併設されている海上自衛隊基地を見学した際に知ったことだが、その周辺には魚がいっぱいいる。理由は放射能汚染のため、誰も釣り糸を垂れないため、魚たちは汚染覚悟でそこを「安住の海」にしている。
そしていま「台湾有事(戦争)」を口実にした戦争準備43兆円問題で、相手国から真っ先にミサイルが落とされる場所となってしまった。万一核を積んでいれば、房総半島も放射能まみれとなる。日米安保が日本を危機に陥れることになるのである。
<崖観音と神社に詣でる哀れな観光客の前途=1千万円借金の国民>
この世に神仏など存在しない。人間が想像したものだが、人は判っていても手を合わせるようだ。館山市を見下ろせる場所に観光バスが停まっているではないか。そこは崖観音という仏教施設らしい。らしいというのは、ライバルの戦争神社もそばに建っているからだ。
金曜日というのに観光する優雅な若者などは急坂もいとわず上り、不思議なことに手を合わせる?合理主義者にとって菩薩(仏教)と神社双方に手を合わせ、賽銭箱に小銭を投げ込んでいる風景は不可解だ。
日本人として生まれた途端、1000万円の借金を背負わされている。毎年平然と借金しながら大型予算を編成するという悪政にも耐えて、ひたすら自公を支持する国民は2割から3割いる。これも不可思議なことだ。
この3年塹壕にもぐっていた人間にいい機会をくれた柴崎夫妻に感謝したい。ところてんは30年か40年ぶりか。おいしかった!
2023年2月19日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)
最近のコメント