本澤二郎の「日本の風景」(5141)
本澤二郎の「日本の風景」(5141)
<立憲・杉尾秀哉の「維新はやくざと一緒」論に賛同>
歴史の真実が分かってくると、明治維新についても多くの識者同様に懐疑的になる。天皇制の神道国家主義がよかったのかどうか?案の定、大阪で誕生した維新は、たしかに古臭く戦前回帰を目指した急進的改憲勢力であることも分かってきた。
彼らは、平和憲法のすごい前文・条項をまるで理解していない。乱暴に解釈して、それに向かって一直線に猛進する、正直なところ気味が悪い。案の定、ルーツをたどると、岸信介の取りまきの笹川良一の運転手が飛び出す。中山太郎の運転手が現在の馬場代表だ。確かに運転手は、主の素行すべてを知る立場にある。運転手にへそを曲げられると、飼い主は一発で転んでしまう。運転手は主と一体なのだから、主は運転手のために一肌脱ぐことになる。
筆者の言う笹川ギャンブル財団と岸信介・安倍晋三は、深い闇の関係にあると指摘できる。安倍同様にやたら改憲をわめき散らすだけの維新は、岸・笹川の戦前派と一体とみていいだろう。安倍の後見人だった森喜朗が、笹川ギャンブル財団のビルに事務所を置いているほどだ。清和会と笹川一族は岸時代からのつながりだから、思想信条も一緒である。福田康夫を除く歴代の清和会首相と闇深い笹川一族との一体関係が、この国の危うい方向性を示唆している。
安倍の別動隊として、ひたすら改憲急進派として行動している。自公体制の崩壊を予感させているのかもしれない。衆参の憲法審査会を強引に引きずりまわそうとする維新の野望は、自民党にとって代わろうとする焦りさえ感じる。平和主義がよほど嫌いなのであろうが、国民のほとんどは確かな情報を提供すれば、戦争体制をもくろむ改憲など論外と考えている。
護憲の立憲民主党をぼろくそに批判するのも、護憲の強固な岩盤ゆえだ。「立憲を叩き潰す」という馬場暴言は、維新の育ちを印象付けている。これに対して参院立憲の代表格の杉尾秀哉が、維新を
第二自民党と決めつけ、さらに「やくざと一緒」と断罪した。杉尾の指摘は、当たらずとも遠からず。おおいに納得できる。
21世紀の日本において、戦前のような強権政治は許されない。憲法は公人に対して憲法を尊重し、擁護する義務を課している。維新の代表発言は、国権の最高機関である国会議員として失格、品位がなさ過ぎよう。猛省して撤回すべきだろう。
よく知る小児科医の中山太郎は、野蛮な人ではなかった。
<カジノ建設に突進する改憲派維新と笹川ギャンブル財団の闇>
それよりも維新は、大阪にカジノを建設することに躍起となっている。まさにやくざ暴力団との連携を印象付けている。教育重視の正体は、単なる人気取りに過ぎない。笹川ギャンブル財団の影を印象付けてもいるだろう。大声を張り上げて、反対する相手に罵声を浴びせれば政治は動く、と勘違いしているのか。
しかも財政破綻の渦中において、なぜ無駄の最たる金権行事である万博を強行するのか。「身を切る改革」は嘘だと自白しているのではないか。解せない。
<「世界に冠たる憲法」とは鈴木善幸首相の国会答弁>
田中角栄と共に日中国交を正常化させた大平正芳首相が倒れると、角栄の鶴の一声で政権を担当した鈴木善幸首相は、国会の答弁で「日本国憲法は世界に冠たる憲法」と堂々と答弁した。
彼は「徳不孤」と色紙に書いてくれた。現財務相の父親である。この一言で、鈴木善幸は歴史に名を残すだろう。
<「核の時代で憲法9条は光り輝いてきた」と宮澤喜一首相>
核の時代に戦争は出来ない。ロシアのプーチンは核の使用をほのめかしているが、実際には出来ない。ロシアも、アメリカも全滅するという決断を誰も想像できない。
結局のところ、だれも核を使用しないし、できない。宮澤喜一はいち早く核の時代において、戦争放棄の9条は光り輝いていると喝破した。9条憲法が国際化する21世紀であろう。
<河野洋平自民党総裁は「変える条項などない」>
宮澤が後継者に選んだ河野洋平は、護憲リベラルの代表格で知られる。彼は記者の質問に対して「改憲?一体どこを変えたい。変えるところなどどこにもない」と断言した。鈴木・宮澤・河野は、自民党の護憲リベラルを代表した政治家。宏池会の伝統は護憲リベラルである。岸田文雄は宏池会の理念を放棄して、安倍・清和会の軍門に下った落第生である。
杉尾の馬場への「維新はやくざ」との反撃は、売り言葉に買い言葉以上の真実味があろう。「どっちもどっちではないか」ではない。彼も護憲リベラルの信念があるのだろう。田英夫の再来か。
2024年4月21日記(茅野村の仙人・日本記者クラブ会員)
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