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2023年12月17日 (日)

本澤二郎の「日本の風景」(5017)

本澤二郎の「日本の風景」(5017)

<日銀は財閥優遇から国民のための「物価の番人」に戻れ!>

日本の中央銀行である日銀は、物価の番人である。安倍内閣以降は、この大事な役割を放棄して円激安路線に舵を切った。アベノミクスなる造語で、国民を欺いて、切り捨てる財閥向けの経済政策を強行してきた。最近の岸田内閣の低い支持率は、輸入大国の国民生活を破壊する物価の高騰にある。しかも、43兆円の戦争準備に「軍靴の音」を響かせている。戦前のような日本政治に逆転させる政策に国民は怒り、そのうえ恐怖で心が凍り付いている。

こうした悪政の元凶は、腐敗政治屋が跋扈し、国民の声がほとんど反映しない小選挙区比例代表制にある。政治改革が2024年の課題といえよう。改憲改悪は論外である。

 

<1ドル120円前後で物価安定=政権の安定も約束する>

筆者はこの10年ほど為替の動向と好ましい日銀の金融政策の在り方に強い関心を抱いて、各方面から意見を聞いたりしてきた。

それは怪しげなアベノミクスなる言葉で国民を欺く経済政策に疑念を抱いてきたからだ。案の定、日銀に黒田東彦が就任すると、それが表面化した。「異次元金融緩和」という円の価値を落下させる

財閥優遇の金融政策が強行された。

日銀は、株式を購入することで、株安を封じ込めるという禁じ手まで。財閥経営陣は、自社の株を買うと株高となり、その結果、経営陣は何もしなくても、莫大な給与を懐に入れた。政府は、国民のなけなしの資産である年金資金にも手を突っ込んで、株高を支えるという禁じ手まで使っている。財閥の内部留保は天を衝くような暴利を挙げている。

 

円激安は、愚かな戦争が災いして原油価格が高騰して、ただでさえも高く跳ね上がっていた物価がさらに押し上げられ、民衆の生活や中小企業を窮地に追い込んだ。

日本人の海外旅行は沈み、一方で外国の旅行客は円の価値が急落したことによって、その恩恵を受けたことは言うまでもない。

 

円の価値はどれくらいなのか。1ドル110円、120円前後が専門家の声である。この程度であれば、多少の小遣いのある国民は、年に1度か2度は近場の海外旅行も可能となろう。輸入品の値段も落ち着く。物価が安定すれば、民衆の怒りは収まるに違いない。

財閥や株屋は真剣になって仕事をするだろう。これは当たり前のことで、この10年彼らは何もしなくて、懐だけは膨らみ続けてきた。モノ作り技術の進歩に見るべき成果はない。OECDの後塵を拝するありさまである。

 

<消費は上向いて経済は好循環>

物価が安定することが政府・日銀の最重要な任務である。人々は安心して消費生活を送ることができる。消費が上がれば、経済循環は前へと転がって行くだろう。

政府らしい政府の下では、輸出も輸入も安定して、市民生活を安定させる。この10年のアベノミクスは、ドル高・円安による財閥優遇、民衆いじめの最悪の経済・金融政策が今も続く。

 

異次元金融緩和という日本の価値を貶める悪政は、国民生活を困窮させる。止める必要がある。植田和夫の責任は重い。民衆の厳しい視線に応えるしかない。

 

<政府は国債乱発をやめ、財政健全化で子孫にツケ回し止めよ>

昨今の清和会の政府は、平然と借金の山を築いてきた。安倍・菅・岸田は、借金のツケを後世に残す最悪の政策を推進してきた。

子孫に恥ずかしくない遺産を残そうという観念がない。「今だけカネだけ自分だけ」の政治屋ばかりである。

ブレーキ役の霞が関の官僚も狂ってしまった。官邸の人事権に振り回されて、ただ失格大臣の原稿メモを作成するだけだ。したがって、政府スポークスマンさえ、文字を読めれば誰でも務まる。自身の信念を披歴できる閣僚は一人もいない。勉強する政治家が一人もいない。

コロナ対策費の全貌さえ不透明のままだ。恐ろしい腐敗が予想される。政権の交代は不可欠だ。選挙制度の改革は喫緊の課題である。まずは明日からでも円の価値を正常化させて、国民生活を安定させるほかない。普通の国であればクーデターが起きても不思議ではないだろう。

2023年12月17日記(政治評論家)

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