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2023年11月10日 (金)

本澤二郎の「日本の風景」(4980)

本澤二郎の「日本の風景」(4980)

<冗談言うな!維新の馬場代表の狂気に仰天>

最近は維新という右翼政党の改憲論が突出していることに気付かされる。自民党の最右翼派閥・清和会の専売特許のはずだったが、いまは維新の代表に奪い取られてしまった。

馬場のことは全く知らないが、彼が運転手をしていたとされる中山太郎はよく知っている。清和会の穏健派の小児科医だ。彼の弟は反中台湾派の青嵐会メンバーで、正真正銘のやくざ代議士・浜田幸一と仲が良かったが、それでも彼は「一緒に風呂に入ったことがなかった」とぼやいていたものだ。入れ墨を見られるのが嫌だった証拠である。

一般人とやくざの相違点は、確かに入れ墨の有無にある。他人がこれを見ると、特に女性は恐怖で体が硬直する。

 

兄の太郎は、したがって台湾や反共主義など無縁だった。ところが、外相に就任すると、急変した。「日本の常識は世界の非常識」と言い出した。外務官僚の影響である。外交官は武器弾薬外交が外交力の決め手と信じ込んでいる者が少なくない。自民党の改憲論は、外務省の悪しき役人が注射して免疫をつける。

そのころから馬場は、地元大阪で運転手を始めたものらしい。中山太郎のベテラン秘書の説明である。大学で憲法を学んだ人間ではない。法律など知らない。太郎の話を聞いて、傾倒したに過ぎない。笹川ギャンブル財団の影響も受けているかもしれない。

戦前戦後の歴史は知らないだろう。見よう見まねで改憲論をぶちまくり、今では自民党清和会の株を奪ってしまった。

 

<「大阪万博とカジノ中止に舵を切れ」が天の声>

安倍晋三の別動隊として知られる維新の利権というと、大阪万博とカジノ建設であり、最近ではこのことを知らない国民は少ない。安倍は東京五輪に手を出すと、維新には「万博とカジノでどうか」とプレゼントしたとされる。

様々な行事は、政治屋の利権そのものである。イベントさえやれば、選挙資金が莫大に蓄積される。イベントは新聞テレビにも利益をもたらす。政治屋と新聞テレビ経営陣は、二人三脚よろしく甘い血税に食らいつく。忘れてならないのは電通である。むろん、官僚にも流れる。業界と族議員と官界の三角の強固な利権構造は、常の腐敗を象徴する。

イベントに食らいつく輩は、不思議とA級戦犯の岸信介のラインに乗る面々である。石原慎太郎・森喜朗・安倍晋三が清和会の利権屋御三家という。

五輪の腐敗はすさまじく、その一部を検察があぶりだした。かくして札幌の冬季五輪計画はとん挫した。同じく大阪万博とカジノも中止するほかない。なにも改憲のための利権イベントをする必要はない、というのが財政破綻国の世論である。

維新は「身を切る改革」で大衆を巻き込んだ政党である。庶民の質素倹約路線にうまく歯車を合わせて勢力を拡大してきた。それが血税利権に食らいつくというのは、本末転倒との非難を浴びる。率先して、中止する方向に舵を切るべきである。東京五輪をまねるな、である。

 

<戦争期に誕生した非戦の憲法=欧州・中東の戦争便乗は論外>

家庭の事情か、生まれつきの勉強嫌いなのかは不明であるが、彼は第二次世界大戦期の日本の惨状を知らないらしい。それは、それこそ表現できないほどひどいものだった。

 

敗戦を利権に結び付けた政治屋や官僚は存在したが、ごくごく一部の選ばれた者たちに過ぎなかった。その中に参院自民党幹事長の父親もいた。知る人ぞ知るである。近畿大学の誕生史も興味深い。

 

無数の多くの民は、敗戦ですべてを失った。生きる術を失った日本人の悲劇は、今のパレスチナのガザの無辜の人々に似ている。恐ろしい300万人の死という、本当に恐ろしい敗戦の教訓から、日本人は非戦の憲法9条を勝ち取った。宏池会の鈴木善幸首相は、国会で「世界に冠たる平和憲法」と叫んだ最初で最後の首相である。

 

政治記者1年生として、ハイヤーを利用して初めての夜回り取材で、初めて世田谷区経堂の鈴木邸居間で、政治家・鈴木善幸と名刺交換した。すでに共同通信の三喜田先輩が主とおしゃべりしていた。先輩はいつも年賀状で「改憲強行の際は、国会デモに押しかけて阻止する」と呼び掛けてくれる。 

「わしの目の黒いうちに改憲はさせない」と叫んでいた後藤田正晴を五体にみなぎらせる、日本の老人は少なくない。戦争を二度と繰り返してはならない。上総の国望陀郡茅野村の大先輩・松本英子も叫んでいる。後藤田の先輩・平和軍縮派の戦闘的リベラリストの宇都宮徳馬も泉下でこぶしを振り上げている。

 

維新ごときになめられていいはずがない。日本国民の平和主義はいい加減なものではない!孫や子供にいい日本を相続したい日本人は多数派である。所属する日本記者クラブの覚醒も不可欠である。

2013年11月10日記(反骨ジャーナリスト・日本記者クラブ会員)

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