本澤二郎の「日本の風景」(4974)
本澤二郎の「日本の風景」(4974)
<迫害民族は迫害する国家か!ユダヤの大義に疑問?>
マッチ1本で戦火の炎が燃え盛る中東。パレスチナのガザ地区の惨状はこの世の地獄だ。想像を超える痛ましすぎる火炎地獄を、今を生きる人々は、瞬時に目撃することができる。鉄筋コンクリート造りの頑強な建物が難なくミサイルで吹き飛び、その周辺の地下が数十メートルの深さでえぐり取られている。病院も国連施設も関係なく消し飛んで、無数の無辜の命が声を挙げる間もなく、虫けらのように奪われていっている。
イスラエルの戦争犯罪のものすごさに、生きている人間は、ただ息をのんで傍観しているだけだ。ロシアとウクライナの戦闘とは異質であるが、真実を伝えねばならない後世の歴史家は、ユダヤのイスラエルに敗北の評価を下すことになろう。
「パレスチナの過激派」と決めつける日本を含む欧米諸国は、イスラエルを善玉と判定しているが、それでもガザの惨状がそれを優に打ち消している。
<第二次大戦後、欧米主導の国連決断に大いなる過ち>
イスラエルの建国前の第二次世界大戦で、600万人のユダヤ人がドイツのナチスに虐殺されたという。これまた度肝を抜かれる。
悲劇のユダヤ人に対して、英国など欧米主導の国連が、はるか離れた中東の地にイスラエル国家を押し付けた。そこから新たな火種を植え付けた。
中東は世界最大のエネルギーの利権が渦巻く地帯である。これを占拠する国際的財閥資本家の野望が彩る危険地帯でも知られる。ユダヤ教・イスラム教・キリスト教の陰湿な確執など、仏教国のアジアの人たちは想像することもできない。
その点では中東イスラム教の国々と良好な関係にあった日本政府が、近年、戦前の極右化・神道化(清和会政治)する過程で、ワシントンとの属国化が急速に進行した。それまでの等距離外交から、米国・イスラエル寄りに。岸田外交が安倍外交と同様に、日本国憲法が予想する国際協調が、すべからくアメリカ一辺倒になり、これが隣国との外交政策を一辺化させている。背後で、恐ろしい言論統制が行われている。新聞やテレビの読売・日本テレビ化である。
ここを見誤ると、現在の日本が見えない。
憲法の原点に戻らねばならない。政府電通が主導する言論の事由喪失の日本である。
<人間という動物ほど残酷な動物はいない>
思うに人間ほど残酷な動物はいない。戦前の「天皇の軍隊」を朝日新聞記者の本多勝一と友人の時事通信記者の長沼節夫の共著で思い出す。南京大虐殺の日本軍にも声が出ない。
A級戦犯の岸信介を信奉した反中三文作家・石原慎太郎が否定した南京大虐殺の現地を、1995年の戦後50年に50人の仲間と訪問した時、参加した老人(元日本軍の軍属)が「当時の南京」を証言してくれた。上海から南京に向かう列車の中での、確か86歳の人だった。その生々しい目撃談に今も衝撃を受けている。
ヒトラーのような人物は日本にもいたのである。
<血も涙もないやくざが背広を着た死の商人国家>
今もミニ・ヒトラーのような人間が、この日本にいる。10年ほど前にやくざの「木更津レイプ殺人事件」を取材した時から、今の袖ヶ浦市の核汚染ごみ投棄の産廃業者の背後に、血も涙もないやくざを間接的に目撃している。
数日前の朝日新聞千葉支局の取材に期待したが、無駄なことだった。それでも同市林・高谷地区の代表は、住宅の周囲に防犯カメラを張りめぐらせながら、屈せず堂々とやくざや屈する役人らと対決している。近く告示される袖ヶ浦市長選の現職にやくざ系代議士が張り付いて、再選の構えである。
水道の安全確保のために、勇気ある一部住民運動の反発の行方も注目を集めている。総選挙では「防弾チョッキを着ても」と挑戦する樋高剛も現れた。
凡人ジャーナリストは、やくざが事実上支配するような地域で生活していることを実感するようになって10年。間接的に弱者・ガザの人たちの無念が、一層強く感じられる。
2013年11月4日記(反骨ジャーナリスト・日本記者クラブ会員)
(ネット資料)イスラエルはどのようにして建国されたのか?
紛争勃発 第二次世界大戦中に、壮絶な迫害を受けたユダヤ人は、自分たちの国家を持つ意志を固めました。 ユダヤ人に同情的な国際世論を追い風に、1947年国連総会でパレスチナの分割案が提示されると、ユダヤ人はそれを受け入れ1948年イスラエルを建国した。
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