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2023年11月 8日 (水)

本澤二郎の「日本の風景」(4978)

本澤二郎の「日本の風景」(4978)

<衝撃の120マイクロシーベルト=君津市の東洋一産廃場「新井総合」に重大疑惑=住民測定>

風光明媚な首都圏のオアシス・房総半島で「健康に生きる権利が奪われていた!」。目下、衝撃的な事実にたじろいでいる。JR久留里線の終着駅・亀山の水源地で知られる山すそに、地元の市民団体が「水を守れ」と反対運動し続けている東洋一を誇る巨大な産廃場・新井総合がある。筆者も最近、初めて現場に立ってみて、その規模の大きさに度肝を打たれた。房総丘陵の峰から眺めると、作業現場の大型ダンプが米粒のように小さく見える。一帯は首都圏から搬送される有毒廃棄物で、数百メートルの高さに盛り土されている。例の熱海の盛り土どころではない。なぜこんなことが、千葉県と君津市によって認可、推進されてきたのか?

千葉県民・議会人・役人どころか全国民も、この想像を絶する奇怪な毒物投棄のための場所に立つべきであろう。日本資本主義の最悪の恥部に違いない。

 

周囲を砂とビニールシートで覆い、見方によってはまるでエジプトのピラミッドのように、周囲を整地して人の視線を狂わせている。水源地の山すそから峰に向かって、有害物の山がいくつも出来上がって、それは限りなく広がって住民の耕作地に迫っている。有害廃棄物を載せた大型ダンプが、亀山駅の方からだけでなく、峰の方からも容赦なく運んできている。

 

確実に君津郡市と市原市姉崎地区の水道水の水源河川・小櫃川を汚染し続けてきたと誰もが信じる。木更津市に住む筆者のもとに情報がもたらされたのは、コロナで急遽北京から帰国した2019年12月ごろか。「福島の汚染ごみが埋設された。1万トン以上も」と書かれた毎日新聞千葉版の記事も届いた。

驚いたことは、天下を揺るがすような大ニュースが、全国版ではなく千葉版の小さな記事だったことだ。大半の千葉県人も国民も知らない大ニュースを報道する毎日新聞が、この体たらくに言葉も出なかった。「まさか?水源地に福島の放射能汚染ごみを投棄した?水どころか水田耕作もできなくなる。人間が住めなくなるのではないか」と腰を抜かしてしまった。以来、福島の核汚染ごみが深刻な課題となって、凡人ジャーナリストの脳を支配した。

 

問題の新井総合(株)という人道に反する企業名も最近、現場を視察して記憶した。その現場を袖ヶ浦市林地区住民と市民団体「袖ヶ浦市民が望む政策研究会」(関巌会長)のスタッフが、放射能測定器を現場周辺で作動させ、1時間当たり120マイクロシーベルトという驚愕の数値が記録された。通常では0・03とかの値が、ここでは120。

 

測定者の御園豊は「最初は20とか30。そのうちに産廃場の下から風が吹いてきた。その瞬間、針が大きく動いた。なんと最大120が記録された」といい、関巌は「通常の500倍以上の値。現場の中央や投棄した内部を測定すると、実際はもっともっと高くなる」と語った。

 

<「新井総合は真相を明らかにせよ」県民の怒りが爆発>

小櫃川の水を守る会の活動家の話を聞くと、この新井総合が水源地に産廃場を設置、認可した時の千葉県知事は沼田武という。前知事の森田健作の2代前の知事である。支局長時代はよく知る人物だった。やくざ対策も熱心だったのだが、なんと新井総合を認可した時の知事だったという。

 

新井総合は福島の核汚染ごみを水源地に埋め込んで、40万人の市民の飲み水を汚染してきた法的倫理的責任を負わねばならない。真実を明かす責任を急ぎ果たす必要がある。嘘偽りは許されない。

暗躍した政治屋も、協力者も。千葉県民の叫びに逃げは許されないだろう。やくざややくざ系の人物も公開する道義的責任がある。

 

<袖ヶ浦水源地の500倍以上の放射能数値「房総半島で人間は生きられない> 

一般人が1ミリシーベルトを被ばくすると危険ラインという。マイクロシーベルトだと1000マイクロシーベルトに相当する。測定器は1時間当たり120マイクロシーベルト。年間にすると24掛けて、さらに365を掛けると、途方もない数値になる。市民活動家は「500倍以上だ。想定できない大変な数値」と指摘している。まさに信じられない死の数値か。ということは、今も福島の核汚染ごみが大量に投棄されている可能性を否定できない。

 

房総半島では生き物が健康的に生きられないことになる!水田耕作も畑作もできなくなるような放射能数値に愕然としてしまう。

 

<袖ケ浦市に次いで君津市も監視どころか責任放棄=恐ろしや悪魔の産廃業者>

君津市も袖ヶ浦市と同じように放射能測定・監視をしない。行政の責任放棄なのか。住民には見えない、臭わない放射能から身を守るすべがない。

筆者が以前ダンプ公害を追及していたころ、確か君津市役所に鈴木君という正義の公務員がいた。いま彼のような環境問題に情熱を傾ける人材はいないらしい。

市民の命と健康を守る役人がいないことも泣けてくる話である。無能無責任の税金泥棒役人と悪魔の産廃業者は、腐敗の底なし沼を印象付けている。

 

<原子力マフィアが千葉県を「第二の福島」にしている?>

小出裕章のいう「原子力マフィア」が、この千葉県にも間違いなく存在している。東電原発の福島から300kmも離れている。そこで原子力マフィアは、やくざ系のダンプ屋と産廃業者を使って32兆円の東北復興資金に食らいついている。

「32兆円を懐に入れているのはゼネコンとやくざサン」というのである。日本の土建業界では、やくざは尊敬の対象だという。

かくして房総半島は「第二の福島」へと変質してしまっている。恐ろしい時代が始まっている。

 

県民は政治屋と知事と県議や市議、そして公務員を一新する市民の会を立ち上げないと、房総半島は自民党とともに衰退・沈没することになる。

2013年11月8日記(反骨ジャーナリスト・日本記者クラブ会員)

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