墓穴掘った高市早苗<本澤二郎の「日本の風景」(4734)
墓穴掘った高市早苗<本澤二郎の「日本の風景」(4734)
<巧妙な言論弾圧が総務省内部文書で発覚!捏造答弁に議員辞職も>
世紀の超軍拡計画の予算案が無風で成立するという21世紀型の翼賛議会のもとで、昨日の参院予算委員会は珍しく緊張した。岸田文雄も知らなかった安倍と最側近の高市早苗がらみの重大案件の発覚である。
安倍が政権を担当すると、一番重視した役所が総務省。昔の郵政省だ。電波行政を駆使することで、テレビラジオに介入できるポストだ。安倍はそこに最側近の高市を起用した。事件はそこで起きるべくして起きた。放送法介入事件である。TBSの番組に対する弾圧狙いだった。
いわば無風国会に一陣の風が吹いた格好だが、発覚した総務省の内部文書を極右女は真っ向から否定した。「捏造である」と公然と突っぱねた。おなじことは安倍の森友事件でも起きたが、この時は内閣上げて嘘と隠ぺいで逃げ切った。しかし、高市に今は安倍の印籠はない。
「捏造ではなく本物の文書であれば、議員を辞める」と開き直ってしまった。かくして言論界を巻き込む重大事件が、今国会の注目される案件となった。「高市は墓穴を掘った」ようだ。地元の県連でも知事選候補者問題でも揺れている。この新たな火種は大きい。歓迎する向きは少なくない。
<安倍の印籠なし、清和会顧問の森喜朗は無力=五輪疑獄で岸田に借り>
そこで問題の核心は、言論の自由に官邸と総務省が関与したという弾圧事件であるのだが、もうひとつは高市の盾と矛になるものが誰なのか、何かという点だ。高市を重用した人物というと、誰もが安倍晋三を思い出すが、彼はいない。安倍の印籠はない。
安倍の後見人である森喜朗が、岸田を抑え込んで防護服になれるのか。無理だろう。「五輪疑獄事件で森は逮捕される運命にあった。岸田に頼み込んで、検察を抑えてもらったばかりだ。岸田に借りが出来てしまった。とても高市を守れる余裕も力もない」といっていい。
そもそも高市は清和会を飛び出した人間で、派内の評価はない。「安倍との
個人的な関係で閣僚や総裁候補になっただけの捨て石にすぎない」とも見られている。
<高市は清和会脱会組のため清和会は動かない>
「清和会に高市派はいない。ゼロだ。特別に面倒を見た役人を地元の知事選に押し出そうとして、県連内部でも反発が強い」と見られている。
清和会が高市擁護に動く気配はないのだろう。第一、政界は嫉妬・やっかみが特段に強い世界である。安倍がいなければ、単なる極右女でしかないのも事実という。自民党内の女性議員は全て安倍好みの極右の面々である。自民党の女性議員が高市を助けるということも考えられないか。
<安倍の重用に派内に根強い反発が続いている!>
嫉妬は一般の社会にも存在している。最近も意外なことに気付かされたばかりであるが、地域ではお互いが無視し合っていれば済むが、狭い権力が渦巻く永田町は恐ろしい世界だ。油断すると落馬が待ち構えている。
世間は首相や大臣だからと言って、尊敬の対象などではない。利権のつながりに過ぎない。自殺した中川一郎が、その直前に吐いた言葉は「政界は政友しかいない。心友が一人もいない」だった。
高市の場合は「もう賞味期限切れ」と認識されてもおかしくない。
<議員辞職に地元県連は大歓迎>
高市が議員辞職して喜ぶのは、沢山いると見られている。若いころ、彼女とのインタビューを雑誌の編集長に頼まれて会見したことがある。驚いたことに、彼女は極め付きの皇国史観を平然と口にしたので注意したが、駄目だった。松下政経塾の政治信条だった。
野党の辻元清美とは対照的だった。そんな人物を安倍は自民党総裁候補に担ぎ上げたわけだから、安倍の長期政権で日本が極右崩壊した理由が分かろうというものだ。
地元県連は大喜びとの報も届いてきた。議員辞職は十分ありうるだろう。
2023年3月4日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)
(礒崎陽輔元首相補佐官は3日、放送法を巡る野党公表の文書に記載された当時の総務省担当局長らとのやりとりに関し「政治的公平の解釈について意見交換したのは事実だ」と共同通信の取材に答えた。一方で「文書は見たことがなく、信ぴょう性についてコメントする立場にない」とした)
(高市早苗経済安全保障担当相(衆院議員)は3日の参院予算委員会で、番組の政治的公平性などを定めた放送法の解釈を巡り、安倍政権で首相官邸側から圧力がかかったことを示す総務省内部文書とされる資料について、「信ぴょう性に大いに疑問を持っている。全く捏造(ねつぞう)文書だ」と述べた。高市氏は当時、総務相を務めていた。立憲民主党の小西洋之氏への答弁)
立民・小西氏「放送法を私物化」 政治的公平性巡り、内部文書公表
(時事)小西氏が「捏造でなければ閣僚、議員を辞職するということでよいか」と尋ねたのに対し、高市氏は「結構だ」と応じた。政治的公平性の解釈については、個別番組ではなく放送局の番組全体で判断するとされてきたが、2016年に総務省が一つの番組でも判断し得るケースがあるとの解釈を補充した。文書は小西氏が2日の記者会見で公表。放送法の解釈に関し、安倍政権当時の礒崎陽輔首相補佐官と総務省とのやりとりが記され、高市氏も登場する。15年2月には礒崎氏が「この件は俺と総理が2人で決める話」「ただじゃあ済まない。首が飛ぶぞ」などと発言したとされる。
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