梅の下で餃子小宴<本澤二郎の「日本の風景」(4731)
梅の下で餃子小宴<本澤二郎の「日本の風景」(4731)
<メジロは白梅の蜜を吸うために群れて梅から梅へを初めて確認>
昼前にラジオをつけた。例によって些末な審議の様子を確認して聞くのをやめた。午後4時過ぎにもつけてみたが、大局論ではなかったのでスイッチを切った。国権の最高機関らしい国家審議をしていない。
友人を招いての春節餃子小宴のほうが大事である、と勝手に判断して、普段は汚れ切っているベランダの掃除を始めた。雑巾の汚れはひどい。繰り返し洗い流してささやかな小宴の場を設けた。
柴崎夫妻が来るまで我が家の白梅を物珍しそうに見つめ続けていると、そこに黄緑の羽の色をした小鳥が5,6羽。懐かしいメジロだ。彼らはじっとしていない。蜜を吸っては枝から枝へ。白梅とメジロに因果関係があるものらしい。蜜を吸うメジロを初めて確認した。ただし長居はしない。そこが見事だ。ギャングのようなヒヨドリとは違う。わきまえた行動ぶりに感心してしまった。
<初めての白梅の下での宴に餃子をたらふく>
中国本場の餃子は、水餃子で日本の焼き餃子と異なる。慣れていない日本人は、酢などのタレを使うことになるのだが、本日は辛くないキムチ用の唐辛子を使った。これもなかなかいい。食べても食べても食べられる。しかも、消化がいいのでお腹がもたれることがない。最高の中国料理である。
西方シルクロードの焼きもち(ナン)と、中国・東北地方の料理から生まれたと聞いたことがある。中国を代表する餃子は、春節に食べる機会が多いようだ。
具にはニラやキャベツに豚肉。肉も脂身がある方が味がいい。そして塩で餃子全体の味を調和させるため、最初の段階で塩味の具合を見て、大目か少なめをみるのである。
中国では家族団らん、みんなで協力して餃子の皮(メリケン粉)を練ってつくり、そこへと具を入れて包むのだが、慣れない日本人には難しい。
ゆで上げたばかりの餃子が次々と卓に運ばれてくる。熱く揚げた餃子を口に入れると、正に餃子の最高の味を胃の中に送り込むことになる。舌のありがたさを感じる瞬間である。
純白の梅の花の下で食べる餃子の宴は、無論初めての贅沢である。自然の中で談笑しながらの食事はすばらしい。
<人生いろいろ、元小学校のおしどり教師も複雑な家庭だった!>
小学生のころ、戦争帰りのX先生に教わった。夫人は美貌を振りまく優しそうな先生だった。3人の男の子らも母親似で格好がよかった。さぞかし素晴らしい人生を送っていたであろうと想像していた。
20年以上も前に会った時には「世界一周旅行は済んだし、二人の年金は月に70万円。もうやることもない」と語っていたのだが。
「二人の晩年は大変だったらしく、よく夫婦喧嘩をしていた。貴婦人のようなはずの感じのいい先生も、身に着ける洋服やスカートや靴などはみすぼらしかった」「男のX先生は毎月お酒を一升瓶10本を買っていた。10本買うと1本サービスといっていた。長生きできなかった」「3人の子供さんも既に二人亡くなっている。人生は判らない」
以上の話を聞いているうちに気分が暗くなってしまった。東芝病院で殺されたような次男正文のことを思い出した。いまコロナワクチンで亡くなった市民もいる。人生はいろいろで片づけられるものではないが、多くの国民は苦しみながら生きているのであろうか。
<健康食品・米ぬかを炒ったモノを試食してもらう>
ネットにはコオロギを食べさせる話が出ている。昔はイナゴは食べていたようだが、我が家では鶏に食べさせていた。それでもなかなか産卵してくれなかったという苦い思い出がある。
猫が大好きな夫人に「チャボを買って安心な卵で納豆とネギで食べるといい」と声をかけてみた。「タンポポの効能もすごいらしい」といったことなども。
我が家の意外な新製品は、米ぬかを炒って食べることを覚えたばかりだ。二人に試食してもらった。
<二人で缶ビール2本で満足>
この日の白梅の宴は4時間近く続いた。時間が過ぎるのも忘れてしまったのだが、アルコールは缶ビール2本。これも長生きの秘訣であろう。
1か月一升瓶10本は多すぎる。思い出すと、義父・廣岡慎次は戦後の東宝争議のころ、酒でカバーしていたらしく、50代の若さで胃がんで亡くなっている。強ミノの威力を教えられていれば、70や80くらいまで生きられたはずだ。
禍福はあざなえる縄の如し?
2023年3月2日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)
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