清和会秘話3<本澤二郎の「日本の風景」(4618)
清和会秘話3<本澤二郎の「日本の風景」(4618)
<中国略奪貴金属類を持ち込んだ暴力とカネの児玉誉士夫の政治力>
戦後の日本は、歴史の教訓を踏まえた世界に冠たる平和憲法を手にしたのだが、肝心の国民の代表を選ぶ場面では、どす黒いカネが乱舞した。そのカネが鳩山・日本自由党と鳩山・岸の民主党に流れた。この噂話について、両党の内情に詳しい松野頼三は「それは事実だよ」とあっさり明かした。
どす黒いカネとは、児玉が上海などで略奪した貴金属類のことだ。事実だとすれば、日本は中国を侵略し、あまつさえ敗戦後の政権樹立にも中国の資産を分捕ってきて、それを選挙民にばら撒いて、戦後初の保守党政権が誕生したことになる。日本国民の永遠の恥だが、中国人民にとって踏んだり蹴ったりの怨念であろう。
「まさかそんなことがあり得ようはずがない」と信じていたものだから、念のため松野に確かめたのだが、それは事実だった。
鳩山・日本自由党は、総裁の鳩山一郎がGHQによって追放された。その後釜が外交官の吉田茂。吉田の天下となった。日本国憲法の制定と瓦礫の山のような国土を復興させる使命を帯びた政権となった。財政破綻国の日本円は、1ドル360円。そこからの苦闘を考えれば、東北の復興など容易に出来るはずだったが、莫大な復興資金の一部もしくはそれ以上が闇に消えた。その真相はまだ明かされていない。東京五輪が蓋をかけたのだが、五輪汚職の本丸である安倍晋三や石原慎太郎は亡くなり、電通OBの雑魚が逮捕されている。
<巣鴨刑務所で肩を並べた岸・児玉・笹川+CIA=A級戦犯内閣誕生>
いまA級戦犯という活字は、禁止されているらしい。ネットにも載せないというらしいが、事実は事実、侵略戦争の主役たちを占領軍は、A級戦犯として彼らを東京・巣鴨の刑務所にぶち込んだ。
巣鴨で岸と児玉と笹川良一が顔を並べた。満洲の仲間だ。彼らは「CIAの子分」になることで、豚箱から飛び出して、護憲リベラルの吉田内閣打倒を目指す。表の大将は鳩山一郎だが、実権を岸が握った。側近の暴力とカネを児玉と笹川が担当したためだ。
鳩山後継選挙で石橋湛山が勝利したが、1か月足らずで病に倒れた。これは不思議だ。何らかの工作がなかったか?政権はCIAが期待した岸内閣へ。岸の武器はカネと暴力だったと見られている。
<戦後初の総選挙の鳩山・日本自由党の軍資金に化ける!>
その軍資金は敗戦直前に上海から飛んだ軍用機に、山のように積まれたプラチナなどの貴金属類だった。いうところの児玉資金。彼はカネと暴力で岸内閣誕生に貢献した。その児玉にぶら下がったのが、読売のドン・ナベツネと中曽根康弘。一説には「中曽根は木下藤吉郎よろしく児玉の靴を磨いた」とされる。単なる出まかせではないだろう。
元海軍主計中尉の中曽根を、同主計少佐の松野は「中曽根は銀座を走る壊れたキャデラック。山に例えると、富士山だよ。遠方からの富士山は、みばえがいい。しかし、近付くと石がごろごろしている」と評した。そういえば、この手の人間はいま政界に多い。安倍もその一人か。彼に接近した女性議員は、安倍の見栄えにあこがれたのかもしれない。
<原敬から鳩山のスポンサー・辻嘉六は児玉資金の行方を見ていた!>
児玉が東京に飛行機で持ち込んだ貴金属類は、相当な容積がある。簡単に秘蔵することも出来ない。分割して隠すしかないが、当座の資金として円に代えなければならない。当時の金は米屋に集中していたらしく、河野一郎らは貴金属を金にするため、米屋に駆け込んだという。
辻嘉六は児玉基金の行方に詳しい。児玉が相談を持ち掛けた相手だった。
彼の娘が、辻トシ子である。無念にも事情を知らずにいたせいで、接触する機会を逃した。彼女は102歳という長寿を全うした。衆院議長の益谷を顎で使ったという話もある。政界の猛女は辻が一番だろう。田中角栄の秘書・佐藤昭お届かないだろう。
嘉六は娘を吉田御三家の一人として知られた益谷秀次の秘書に送り込んだ。彼女の下に瓦力がいた。鈴木内閣の官房副長官で、在京政治部長会との官邸懇談に必ず鈴木に従っていた。運よく鈴木内閣の時から政治部長会のメンバーになったので知った。それだけではない。瓦とは中央大学法学部の同窓である。それでいて彼の益谷秘書の先輩・辻トシ子とは会わずじまい。知り合いになれば、父親の嘉六のことを知りえたはずである。
児玉資金と児玉暴力が岸内閣以降の自民党政治に黒い汚点をつけていく。そして目下、安倍銃撃事件で発覚した文鮮明と統一教会国際勝共連合問題の核心を暴いている。岸と福田赳夫と児玉・笹川と文鮮明、ついで福田と笹川と安倍晋太郎と文鮮明の、いわば反共の旗のもとに、カネと暴力とカルトの連合による自民党攻略とは、けだし日本政治の反民主主義の正体を露骨に暴いて余りあろう。
1979年ごろから、文鮮明指令は「日本の国会議員を掌握せよ」「国会内に教団の教会を建てろ」「秘書を国会内に組織せよ」「安倍派をつくれ。地方にも根を生やせ」などなど。ここでいう安倍派とは、福田派を継承し、安倍内閣を作るという意味だろう。
当時の福田派は、安倍後継を巡って派内は、岸勢力と福田勢力が拮抗していた。福田は側近で信頼する田中龍夫への継承を胸に秘めていたが、岸が娘婿の安倍晋太郎を強く推して一歩も譲らない。「なぜ福田さんは岸さんに頭が上がらないのか。派閥をただでもらったからよ」とは田中金庫番の中内節子の話。福田は折れるしかなかった。腹の収まらない福田は、総裁選に安倍のほか、中川一郎を担いだほどである。
福田の長男・康夫の安倍家嫌いは、事情通の間では有名である。靖国参拝について、康夫は断固反対した。康夫の長男・達夫も本心は、安倍晋三嫌いで知られる。
福田派事務総長をした塩川正十郎などは「安倍晋太郎は福田派の人間ではない」と周囲に漏らしていたほどだ。
児玉のカネと暴力は、ロッキード事件で潰えてしまったが、中曽根康弘を救った。笹川のカネ(ギャンブル利権)と暴力は、統一教会と一体となって、安倍に突っ込んだ。笹川財団の裏側は、今も闇の中である。目下の清和会の秘事の一つとなっている。
そうしてみると、安倍銃撃の狙撃犯(山上容疑者ではない)に警察がどう始末をつけるのか。始末をつけないまま山上を葬ろうというのか?カネと暴力が付きまとう清和会の今後は、国民にとって依然として不気味さをまき散らしながら推移することになるのだろうか。
2022年11月8日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)
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