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2022年7月 2日 (土)

暴かれた「神の国」神道国家<本澤二郎の「日本の風景」(4492)

暴かれる「神の国」神道国家<本澤二郎の「日本の風景」(4492)

<反省謝罪なしの神道国家主義の危機的な覇権航海への前途>

 英国の歴史家が、過去の幻想に取りつかれたような日本を分析したようだ。白水社から出版された「戦争記念碑は物語る第二次世界大戦の記憶に囚われて」。著者はキース・ロウ(田中直翻訳)。月刊TIMES7月号に弁護士の内田雅敏が概要を取り上げている。

 

 大英帝国の属国のような極東の小さな島国が、明治の廃仏毀釈運動によって、神道天皇を神に崇め立てて、調子に乗ったヒロヒトがヒトラーの三国同盟に参加したものの、2発の原爆投下で大敗した。それでも悲劇の300万人の兵士を「英雄」だとする神道・靖国神社の日本を、真正面から取り上げている。

 

 A級戦犯の岸信介やその子孫は、神道だけでは不安なのか、韓国の生まれの反共宗教の統一教会、しかしそれでも不安だとばかり、信濃町の創価学会まで抱え込んで、いまや第三次世界大戦に向き合おうとしている。いまだに「日本は天皇中心の神の国」と信じ込む自民党最右翼派閥・清和会が主導して、自公圧勝の参院選投開票目前だ。 

 

 この国は目下、世界恐慌下においても、露骨な円安政策で1%向けに暴利、民衆には大増税と超物価高政策を強行している。それでも国民の半数が支持して、戦争社会へと掉さしている。その狂気の先導役が神道・靖国神社というのであろうか。

 

<欧米の学者の研究で注目される神道・靖国神社の立ち位置>

 英国の歴史家曰く「靖国神社は記念碑でも記念施設でもない。教会や寺院に似た神聖な場である。アメリカ人がアーリントンで父親を悼むように、イギリス人がフランスのティブバル記念碑で祖父を弔ったりするように、一般の日本人は祖先を弔うためにここを訪れる。ただし、この場所には誰も埋葬されていない。ここには死者の魂が祀られているのだ。彼らの名前など詳細は、巻物(霊璽簿)に手書きで記され、本殿奥の奉安殿に保管されている。参拝する人は、神社の前に立って深々とお辞儀をし、神の注意をひくために、手を二回叩いて祈りを捧げる。一般の観光客にとっては、なぜこの場所がこれほどまでに騒がれているのかを理解するのは、むつかしいに違いない」。

 なるほどそういうことか。合点した。多数国民の認識に違いないだろう。

 

<自民党宏池会の加藤紘一の予言が的中する!>

 歴史家のキースは、戦没者の追悼に理解を示しながらも、重大な疑念を日本国民・アジア諸国民・世界の人々に投げつける。

 「靖国神社のメッセージはこれだけか、違う」といって、欧米人の知識・価値観では理解できない、怪しげな危険な正体を断罪してゆく。「別のメッセージがある。それも単純ではない」と。日本人でもアジア諸国民も理解している異様な宗教施設なのだ。

 「神社の後ろ側には、日本国内でも民間人を恐怖に陥れた憲兵隊の記念碑が建っている」と。ヨーロッパ人の目はするどい。「この大いに恐れられた組織によって実行された人権侵害については、議論の余地がないほど膨大な資料が存在する。例えば数十万人の民間人や戦争捕虜を働かせ、餓死させた収容所の運営を担当していた。また、何万人もの女性が性奴隷としての生活を強いられていた、軍の慰安所を運営する責任も負っていた。そして様々な反戦感情を表明した日本国民を根絶やしにして、恐怖を与える役割を担っていた。欧米においては、この組織はナチスの親衛隊やソ連の秘密警察といったものに相当する。それがどうして、このような敬意をもって、ここでは記念されているだろうか」

 

 本殿に近い場所に立つ記念碑、それは1946年の東京裁判でラーダービノード・パール博士の記念碑、彼は12人の裁判官の中で一人無罪という破天荒な判断をした。1951年のサンフランシスコ平和条約締結に際して日本政府は、東京裁判を受け入れた。これら内外の判断を無視したパールの記念碑は「歴史をゆがめ、新たな強いメッセージを発信している」と強く指摘し、警鐘を鳴らしている。

 日本の宗教指導者の中には、パールを崇める人物がいるようだが、国際社会は強くNOと非難する。「神社当局は、日本は何も間違いを犯していない、その行動に、なんの責任を負う必要もないということなのだ」と手厳しく断罪している。当然であろう。神道・靖国神社は、敗戦後も世界に対して挑戦状を送り続けているのだ。安倍晋三や小泉純一郎・森喜朗ら清和会の靖国派・国家主義者・国粋主義者の正体なのだ。英国の歴史家に脱帽である。

 

<遊就館の「聖戦史観」に気分が悪くなった英人歴史家の衝撃>

 靖国の遊就館のことが分かったら欧米と激突する」と警鐘を鳴らした人物がいた。護憲リベラルの宏池会指導者・大平正芳の秘蔵っ子の加藤紘一である。彼の一言で遊就館のことを知ったが、まだ覗いたことがない。

 英国の歴史家は、この中で気分が悪くなった。加藤の指摘した通りである。「日本が中国を侵略したのは、中国人のせいである。日本が真珠湾を攻撃したのは、アメリカ人のせいである。日本が東南アジアを侵略した唯一の理由は、アジアの人々をヨーロッパの植民地から解放したいという無私無欲からのものだ」となり、とどのつまり「日本が戦争の責任の一端を担っていたかもしれないということを、微塵も受け入れていなかった神道史観」と総括した。これこそが靖国天皇の「聖戦史観」なのだ。

 まだ続く。ぜひ日本人とアジア諸国民が読む価値のある本である。白水社と訳者・田中直に敬意を表したい。

 

<森喜朗・小泉純一郎・安倍晋三・高市早苗らの神道政治連盟に注目>

 ちなみに「神道政治連盟国会議員懇談会」で配布された冊子を松岡宗嗣がネットに発信していた。参考までに貼り付ける。

今月、自民党議員の大多数が参加する議員連盟の会合で、ある冊子が配られた。そこには「同性愛は精神障害で依存症」など、性的マイノリティに関する差別的な内容が書き連ねられていた。

「同性愛は心の中の問題であり、先天的なものではなく後天的な精神の障害、または依存症です」「(同性愛などは)回復治療や宗教的信仰によって変化する」「世界には同性愛や性同一性障害から脱した多くの元LGBTの人たちがいる」「LGBTの自殺率が高いのは、社会の差別が原因ではなく、LGBTの人自身の悩みが自殺につながる」「性的少数者のライフスタイルが正当化されるべきでないのは、家庭と社会を崩壊させる社会問題だから」

性的マイノリティの権利保障が一向に進まない日本。その背景には、政権与党である自民党が、同性愛嫌悪やトランスジェンダー嫌悪、性的マイノリティに対して差別的な認識を持つ「宗教」組織によって支えられている実態がある。

冊子が配られたのは、「神道政治連盟国会議員懇談会」の会合。

全国各地の8万社の神社が参加する宗教法人「神社本庁」を母体とする政治団体「神道政治連盟」、その趣旨に賛同する国会議員により構成される議員連盟だ。

懇談会には、262名もの国会議員が会員として名を連ねており、自民党議員の多くが参加。神道政治連盟は自民党政権に強い影響力を与えているという。

先日の会合で配られた冊子のタイトルは「同性愛と同性婚の真相を知る」。弘前学院大学の楊尚眞氏による講演録のようだ。

冒頭、「今日の講演の目的は(中略)性的少数者を卑下したり、軽んじることではありません。性的少数者の人格、尊厳は尊重しなければなりません」と書かれている。

しかし、そのあとに続く言葉は、明らかに「人格と尊厳の尊重」とは真逆の、ヘイトスピーチや憎悪言説と呼べるようなものばかりだった。

例えば、「同性愛は心の中の問題であり、先天的なものではなく後天的な精神の障害、または依存症です。」「しかし個人の強い意志によって依存症から抜け出すことは可能なので、同性愛からの回復治療の効果が期待できる」といった主張がされている。

世界には、宗教的な背景から、同性愛を「病気」とし、電気ショックやカウンセリングなどで異性愛へと無理やり“矯正"しようとする「転向療法(コンバージョンセラピー)」が、今なお行われている国がある。こうした処置は著しい人権侵害であり、カナダのように法律で明確に「犯罪」と規定されているところもある。

日本では、このような暴力的な人権侵害行為は確認されていないが、会で配られた冊子では、転向療法を推奨するような危険な考え方が記載されていた。

WHO1990年に「同性愛」を精神疾患から除外している。「性同一性障害」についても、2019年に精神障害というカテゴリから外す判断を行った。

アメリカ精神医学会は、2007年に「同性愛者への転向治療は効果がない」ことや、むしろ転向療法によって「うつ病、自殺などが増加する」といった指摘をしている。これに対して冊子では「回復療法をしたから彼らがこのような状態になるのではなく、元々彼らは自分たちの内面に様々な問題を抱えていることに起因する」のだと主張されている。

加えて、「LGBTの自殺リスク」について、「自殺率が高いのは社会的な差別があることが原因かというとそうではありません。LGBTは自分自身が様々な面で葛藤を持っていることが多く、それが悩みとなって自殺につながる」と綴っている。

さらにこう続く。学校で教えるべきは「回復治療や宗教的信仰、又は自然に変化していくことがあり、世界には同性愛や性同一性障害から脱した多くの元LGBTの人たちがいるということ」。

性的マイノリティの自死未遂の割合は、非当事者に比べてLGB(同性愛者や両性愛者等)で約6倍、トランスジェンダーは約10倍高いという調査もある。厚労省が委託実施した職場実態調査でも、性的マイノリティ当事者が、非当事者よりもメンタル不調の割合が高かった。これは明らかに、社会の側に性的マイノリティに対する根強い差別や偏見があるからだ。

2022年7月2日記(東芝製品・サントリー・トヨタ不買運動の会代表・政治評論家・日本記者クラブ会員)

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