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2022年6月11日 (土)

乱の時代(その1)<本澤二郎の「日本の風景」(4471)

乱の時代(その1)<本澤二郎の「日本の風景」(4471)

<国粋主義者・岸信介執念の9条改悪狙いの小選挙区制>

 世は正に「乱の時代」に突入、それが燃え盛ろうとしている。近くの朝鮮戦争やベトナム戦争も対岸の火事でしかなかったが、今は欧州はるか彼方の戦争に、まるで子供が玩具で遊ぶかのように、自民党・公明党創価学会のみならず、維新・国民民主党の翼賛政党がそろってはしゃぎまくっている。反共右翼ばね

全開である。その芽は、A級戦犯の国粋主義者・東条英機内閣の商工大臣・岸信介の政界復帰にあった。ワシントンの反共政府の対日工作が、岸の孫の時代に大きく大輪を咲かせた。戦後最も危うい日本を象徴している。乱の時代は、すでに50年代に地雷のように自民党内に埋め込まれていたものである。

 

 戦後政治史を俯瞰すると、したがってその助走はかなり古い。敗戦後の吉田茂内閣に取って代わった鳩山一郎内閣からだ。幹事長の岸信介のもとで、改憲軍拡強行のために、選挙制度に小選挙区制を導入しようと、必死の努力をしていたが果たせず、宮澤喜一内閣打倒工作と共に実現した。憲法敵視の岸の改憲軍拡の野望は、岸の孫が毎日のように叫んでいるではないか。

 

<保守傍流=東京裁判でA級戦犯不起訴組と米CIAの反共合作>

 戦前の戦争内閣・東条英機のもとで、財閥の代理人格で商工官僚として商工大臣になった岸は、それ以前に満洲傀儡政権で麻薬利権に手を出して、大金を手にしていた。

 2発の原爆投下で敗戦を迎えると、戦争犯罪人として巣鴨刑務所の人となったが、当時の吉田茂内閣の官房長官となっていた実弟・佐藤栄作の裏工作で不起訴となった。同時並行して米謀略機関のCIAは、米ソ冷戦下、日本を反共の砦にしようと画策していた。

 

 彼らの目に合った人物が国粋主義者の岸だった。岸のほか巣鴨の仲間も次々とA級戦犯不起訴組で、共に協力して反吉田勢力を結集、保守傍流の土台を構築していく。

 

<右翼ばねに結集する鳩山一郎・岸・児玉誉士夫・笹川良一・正力松太郎>

 戦争犯罪者が次々と不起訴となり、政界に復帰する様子の記録はほとんどない。従って当初、政治記者として永田町に足を踏み入れたものの、A級戦犯の岸が政権を担当した事情が理解できなかった。CIA工作に納得した。

 とはいえ、政治はカネがモノをいう世界だ。政治資金はどうして手に入れたのか。そして右翼の親玉である児玉の羽振りの良さに注目した。宇都宮徳馬が保証人となって読売新聞に入社した渡辺恒雄が、児玉の広報マンになった事情も見えてきた。

 ロッキード事件で浮上した中曽根康弘が、児玉の靴磨きをした秘話も分かる。児玉が上海から飛行機で持ち込んだ貴金属の多くが、鳩山・岸の反吉田で反共の保守傍流に流れ込んだことも。不条理の極みであろう。

 

<選挙資金は児玉の上海強奪の貴金属類の山>

 中国侵略は、財閥に限らず、岸ら官僚当事者にとっても「金のなる木」だった。大英帝国のアヘン戦争も。貴金属収奪の児玉機関とか、電通創立者で中国語使いの里見甫機関は麻薬利権に特化しており、いずれも岸の仲間だ。

 

 保守傍流とは、いうなれば中国侵略による利権あさりグループである。彼らが敗戦後の日本政界で、岸を頂点に結集し、自民党右翼ばねを構築してゆく。商工官僚の岸と内務官僚の正力松太郎(読売新聞中興の祖)の連携は、東大閥でともにA級戦犯の仲間だ。

 

 原子力ムラの元祖は岸と正力だ。その後をナベツネや中曽根が続く。自民党の不条理の根っこは、すべからく吉田茂の保守本流と対立する反共勢力の保守傍流であると断言できるだろう。

 

 児玉が上海から持ち込んだ莫大な価値ある貴金属は、鳩山・岸の民主党へと流れ、吉田の本流を打倒してゆく。背後にCIAも資金その他で支援してゆく。反共右翼ばねは、CIAの配下なのだ。今もワシントンにひれ伏す日本政府に合点するほかない。

 

<保守合同でA級戦犯を消し去る!吉田茂の保守本流に対抗>

 吉田自由党と鳩山・岸の民主党による1955年の保守合同の仕掛け人は、間違いなく政局安定を求めるCIAの策略であろう。日本をソ連や中国に対抗する反共砦に突進する岸にとって幸いだった。彼の野望は、日本軍国主義の復活に尽きる。そのための平和憲法の破壊なのである。

 

 その実現は、民意が反映しがちな中選挙区制では、改憲に必要な国会議席3分の2確保は不可能である。民意が反映しない小選挙区制が最善である。かくして岸の鳩山内閣の幹事長の野望の第一が、小選挙区制を実現することだった。拙著「小選挙区制は腐敗を生む」を参照されたい。

 

 55年体制は、戦争犯罪勢力を悪魔のイメージから払拭する政治的効果があったし、保守本流を吞み込むことで、右翼ばね天下の到来を意味した。そのためには、言論の自由をする抑制ことが不可欠だった。

 後に触れることになろうが、森喜朗・小泉純一郎・安倍晋三の内閣は、文字通りの反共右翼ばね政権として、言論統制に狂奔していることが分かる。それに正力松太郎の読売新聞に、右ナラエした公共放送NHKの屈服で、世論操作を自在に演じることが出来る。極めて危ない日本・反民主の日本を象徴して余りあろう。

 

<復活した財閥と国家神道(神社本庁)を支持基盤に勢力拡大>

 改憲軍拡の右翼ばねによって、莫大な利益を得る組織・団体はどこか。死の商人グループだが、その世界というと、それは日本財閥。その源流は、戦前の日本帝国・天皇制国家主義を支えた勢力でもある。

 

 「天皇のために命を捧げる」という21世紀では、想像もできない時代が、77年前の日本だった。そうして侵略戦争が具体化した。

 国家神道による国民精神の支配である。全国の神社と家庭の中に神棚信仰という、およそ宗教と呼べない原始の宗教でもって、人々の生活を拘束した。敗戦で国家神道は廃止されたが、神社本庁として蘇り、自民党内に神道政治議員連盟なる政治組織を付着させた。右翼ばねの成果といえる。

 

 地域の祭礼には、ほとんどの自民党議員は参加している。集票組織として創価学会や生長の家を凌駕している。

 財閥も戦後解体されたが、それは形だけで、間もなく財閥は復活し、さらに拡大して、日本経済を支配している。経産省は戦前の商工省だ。岸の孫の安倍晋三が、経産省官僚を重用した理由であり、彼らは財閥と一体関係にある。財閥の信仰対象は、むろん神道である。宗教を盾にするナショナリストだ。

 

<保守傍流が重視・支配した教育政策(文科省)・近現代史軽視>

 影が薄いが、教育政策を担う現在の文科省は、保守傍流が特に重視してきた役所である。なぜか、戦前の悪しき侵略史を消すために、次世代日本人に真実を隠ぺいするためである。

 保守本流は、防衛とか文科を軽視しがちだが、傍流右翼ばねは、ここを重視する。正確な歴史認識を恐れ、隠ぺいしようというものである。

 

 結論を言うと、乱の時代の芽は、戦前の不条理復活への蠢動と決めつけることが出来る。平和憲法を封じ込める戦争国家志向なのだ。

2022年6月11日記(東芝製品・サントリー・トヨタ不買運動の会代表・政治評論家・日本記者クラブ会員)

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