廃れる風習<本澤二郎の「日本の風景」(4315)
廃れる風習<本澤二郎の「日本の風景」(4315)
<しぶとい政教分離違反の首相の伊勢詣では嘘八百>
戦前の封建的な風習・伝統が廃れていくのは、至極当たり前のことだが、永田町のそれは神社神道派の日本会議が象徴している。すなわち首相の伊勢神宮参拝である。明白な政教分離の憲法違反である。日本国憲法を読んだ人間であれば、誰でも知っていることで、許されてはならない。しかも、戦前の忌まわしい侵略戦争推進の国家神道三大神社(靖国・伊勢・出雲)のひとつで、国際社会では戦争神社と指摘している。
不思議なことに、この当たり前の正論を叫んでいるのは、筆者一人だけである。議会も最高裁も沈黙している。教養のある知識人と称する人たちも沈黙している。神道政治連盟・日本会議の親分が安倍晋三という犯罪者であると、国民誰しもが知っていても、沈黙している。
ここにこそ日本の政治の後進性と退化を、分かりやすく裏付けているのであろう。加えて京都大学の著名な歴史学者は、宗教法人の神道について「原始宗教に毛の生えた程度のお祓い教」と論破しているのだが。
<無意味な年賀状を出す人激減、来年からやめよう!>
年賀状についてかねがね無意味と考えていたが、どうやら多くの国民も同じ考えに立っている。年賀の廃れ具合は本格化している。風習とは言えないが、大晦日の紅白歌合戦について廃止論をblogで発信したところ、反響が大きすぎた。NHKの無駄使いは、今年から止めるしかない。視聴率が最低という連絡が、わざわざ自宅に届いたほどである。
同じく年賀状もそろそろ年貢の納め時らしい。性分なのか、12月に必死で近況やら政治の課題を一枚一枚書いて出したものの、半分から返事が来なかった。内心、安堵した。今年の師走に出すのを止めることができる。万歳である。
とはいえ、うれしい賀状もあった。98歳の憲法学者・畑田重夫さんは、静岡県のケアハウスから「待ったなしの気候危機」を訴えてきた。原発をすべて止めて廃炉にしないと、第二のフクシマが首都圏と関西圏を壊滅させる。そのことを厳しく指摘してきた。元共同通信の三喜田泰三・政治部の先輩は「闘志を捨てるわけにはいかない」との元宏池会担当の護憲リベラルの信条を吐露してくれた。
ほぼ同世代のジャーナリスト・佐々田晃一さんは、何と家族3人がコロナに感染、無事に生き延びてきたといううれしい近況を、年賀の裏面いっぱいに書いて送ってくれた。袖ヶ浦の放射能に興味を示してくれるだろう。期待したい。
元名古屋大学名誉教授の安川寿之助さんは「さようなら!福沢諭吉」通信を貼り付けて近況を伝えてきた。珍しい知識人夫妻は元気で安心した。
昨年暮れに初めて赤旗日曜版に掲載してくれた田中倫夫さんは「メディアの権力言いなりはひどい」と怒りのコメントをしてきた。彼のお陰で、赤旗の名物記者・井上協さんも賀状をくれ、袖ヶ浦放射能に目を向けてくれていた。
ナベツネに屈しなかった日本テレビ元論説委員長の菱山郁郎君にも、お尻を叩かれてしまった。元時事通信の宮川好伸先輩は「一人旅復活宣言」をしてきた。
頭の下がる文面は、香取市の日下部行明さんだ。たどたどしい文面で、毎年励ましの便りをくれる。ありがたいものだ。香川県の宝田公治さんは、立憲民主党に移ったこと、小川淳也を当選させる、と張り切って連絡してきた。林義郎事務所で名刺交換した慶応OBの江藤賢一くんは、現在、京都の大学勤務。留学生らとの写真付きで、楽しそうな笑顔を見せてくれた。
以上のような皆さんには、引き続き年賀状を出すことにするが、単なる形式的な文面の賀状には、出さないことにしたい。其れなら気楽に12月を迎えられるだろう。そういえば、中国の友人からの元日メッセージはなかった。
<羽子板・駒・凧だけでない、木更津市の農村部で門松見受けられず>
1月4日の午後、40分ほど近所を歩いた。目的は門松の有無である。青い竹と松を組み合わせる神道流の正月風景だが、これは一軒も見つけることが出来なかった。小さな飾りつけか、門松を印刷した紙を代用する家が多かった。
むろん、羽子板や駒や凧は、数十年前に姿を消した。神道に願いをかける氏子も減少したらしい。
<お雑煮は?我が家は餅を焼いて海苔を巻いて食べる>
正月3が日、このあたりの農村では、夫が餅を焼き、里芋とハバ海苔の汁に入れて雑煮を作る?もはや化石のような話題になった。ハバ海苔は高くて手が出ないのだ。
我が家は、今年も餅を焼いて、醤油をつけ、海苔を巻いて食べる。これが最善のおいしい食べ方だ。
<猛毒トリチウム放出で魚介類・海苔は食卓から消える>
しかし、この海苔も間もなく消えるだろう。日本政府は、菅内閣がフクシマの猛毒トリチウム汚染水を、太平洋上に大量に垂れ流す決定をした。原発容認の国連機関IAEAも後押しする。海流は、地球上のすべての海を放射性物質で汚染する。韓国や朝鮮の海苔も危なくなる。
これは事実である。いくら原発推進の新聞やテレビで煽っても、無駄なことである。海苔だけではない。魚介類も、である。安倍・菅の自公体制のもとで、トリチウム汚染水放出が強行される。神道政治による政治の劣化との戦いが、今日からまた始まることになろう。
2022年1月5日記(東芝製品不買運動の会代表・政治評論家・日本記者クラブ会員)
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