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2021年11月21日 (日)

岸田内閣しばし安泰<本澤二郎の「日本の風景」(4271)

岸田内閣しばし安泰!?<本澤二郎の「日本の風景」(4271)

<清和会の檻に閉じ込められた、犯罪まみれの安倍晋三か>

 政界一寸先は闇である。政権維持困難と見られた自公連立政権が、何とか持ちこたえている。犯罪まみれの安倍晋三は、自ら清和会の檻に入ったものの、痩せてしまっていて現役時代の面影がない。

 

 原子力ムラの細田派の看板を替えただけで、安倍派は船頭多しで前に進まない。反安倍の福田達夫が台頭して、事実上、かじ取りが不在で、舟の漕ぎ手が安倍離れしている。結果、菅義偉からバトンタッチした岸田文雄は、ほぼ安倍離れの方向に舵を切っている。存外、長期政権の可能性も出てきた、との観測も。

 

<安倍・高市に振り回されない限り参院選挙も乗り切れる!>

 短期決戦の総選挙戦術と低投票率のお陰で、準備不足の野党共闘を抑え込むことに成功した岸田体制である。岸田体制の目下の不安材料は、極右日本会議の思惑とは異なり、残念ながら彼方にかすんでしまったかのようである。問題は、そのことが新たな不安材料なのだが、当面は野党攻勢は姿を消すことになろう。岸田も幸運児なのか。

 

 近く赤旗記者が30年ぶりに会いに来てくれるという。当方は、幸い共産党の様子を聞くことが出来るのだが。

 

 見通しが甘いといわれるかもしれないが、岸田体制は参院選を乗り切るだろう。護憲リベラル路線をじんわり浮上させていけば、まずまずの60点政治で、いい線いくかもしれない。

 

<安倍・高市封じに反安倍・福田康夫の倅の達夫総務会長の活躍>

 岸田の難問は、繰り返すと、日本会議という神社神道極右勢力を代表する安倍からの揺さぶりであるが、ここにきて達夫の自民党総務会体制が確立、そんなに心配することがないのかもしれない。

 

 極右安倍を、安倍の足元から、安倍を揺さぶる動きが表面化したからである。清和会創立者の福田赳夫は、岸信介の娘婿の安倍晋太郎を好まず、嫌っていた。現役記者の知らないことである。

 晋太郎の仇敵・田中龍夫(田中義一の倅)を、とことん信頼していたからだ。現に福田側近の塩川正十郎などは存命中「晋太郎は清和会の人間ではない」と豪語していたほどだ。小泉純一郎内閣で登用する晋三を、福田の長男・康夫も、岸の色に染まっているため大嫌いだった。第一、小泉の官房長官時代は、宏池会の宮澤喜一の薫陶を受けて仕事をこなしていた。小泉の靖国参拝に対して、強く抵抗していた。

 

 事程左様に、達夫を党三役の総務会長に抜擢した岸田人事は、安倍の封じ込めを狙ったものだ。この点は誰が知恵をつけたのか、お見事である。

 総務会は、自民党の最高意思決定機関である。総務会の壁をよじ登れない限り、政調会長の極右・高市早苗の安倍忠勤も、成果を出すことが出来ない。その福田・総務会が、反安倍で再編成されたのだ。

 

 安倍の心臓もこれには歯が立たない。いくら極右の言動を吐いても、党の総務会の壁を通過することは出来ない。安倍が地団太を踏んだ場面が、福田・総務会の新体制なのである。ここでは口八丁の小泉進次郎も、反安倍親河野太郎で動く。反安倍の菅チームも割り込んできている。岸田は、反安倍自民党全員野球チーム編成に、見事成功してしまったと言い切ってもおかしくない。

 

 これでは高市の戦争・戦闘発言も通用しない。

 

<林芳正外相は安倍・岸の台湾介入に水を差す!>

 長州は田布施を代表してきた安倍も、今回の総選挙で、参院から鞍替えしてきた林芳正に取って代わられた。山口県を代表する政治家は、安倍ではなく、林芳正である。

 

 反中一色の安倍外交から、日中友好派の林へと、黒潮の流れは、すっきりと切り替わってしまった。中国との交易に期待をかける経済界は、林登板を歓迎している。中国政府には、是々非々の立場を貫くだろう。ワシントンに対しても、唯々諾々追従することはないはずだ。鳩山由紀夫が意図したが成功しなかった、日本自立外交にやんやりと舵を切るだろう。

 

 総裁選中は、安倍向けの発言をしてきた岸田文雄の本心は、もともと宮澤の護憲リベラルである。そのための福田の総務会長、外相の林起用なのだ。

 

 ひとり防衛相の岸信夫が、杖を突いて駆けずり回っても、林外交が頭から水をぶっかける。台湾は中国の内政問題である。内政干渉は外交の原則に反する。外務省はようやくにして、本来の日本外交に戻るかもしれない。

 

<死の商人向けの改憲軍拡に突っ込まない限り、長期政権の芽も>

 改憲軍拡の安倍路線は、死の商人向けの、典型的な火遊びで、断じて許容できるものではない。  

 安倍と高市が揃って改憲軍拡を合唱する様子は、国際的にも日本の異様さを吹聴するだけであろう。フジサンケイの久枝が支援するだろうが、読売のナベツネが同調するのかどうか。

 

 経済重視の軽武装国家論は、いまこそ現実味を帯びている。安倍の火遊びに振り回されない限り、来年の参院選に敗北しないだろう。維新と国民民主党が改憲軍拡をがなり立てているが、平和憲法を信じている国民が雪崩を打つことはない。

 

<北朝鮮への人道支援で朝鮮半島情勢は一変する>

 拉致問題の解決は、これまでのところ、解決するどころか、日本の改憲軍拡のための策略だった。日本国民のナショナリズム化作戦だった。

 

 同じ手法を取るのかどうか。林外交の力量が問われるだろう。2,3兆円の人道支援で、朝鮮半島問題は全て解消、解決する。成り行きを注目したい。

 

 岸田訪朝は、参院選前にも具体化するかもしれない。安倍・日本会議の極右との対決となるのか。それとも安倍犯罪の事件処理に法務検察を始動させるのか、これらに安倍と岸の健康が持つのかどうか。岸田の大宏池会構想も始動している。野党の無力化との関係で、自民党の派閥抗争は新たな展開を始めてきている。

2021年11月21日記(東芝製品不買運動の会代表・政治評論家・日本記者クラブ会員)

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