新総裁・岸田文雄の壁<本澤二郎の「日本の風景」(4220)
新総裁・岸田文雄の壁<本澤二郎の「日本の風景」(4220)
<国民に敵対したA級戦犯の神道・日本会議の安倍晋三を斬れるか>
20年余も継続した自民党極右・清和会政権が、遂に瓦解した!というと、驚くかもしれない。民意との乖離は、民主主義の危機そのものだった。筆者は、連日、安倍・菅の暴政を批判してきた。国民の声を、伝える努力をしてきた。それがようやく、自公政権崩壊目前で、自民党リベラル派の宏池会が、深手を負いながらも、ともかく実現したことになろうか。
功労者は、河野太郎と石破茂、さらには福田康夫だったかもしれない。人のいい岸田文雄は、安倍晋三の叔父・佐藤栄作内閣の下で、いびられいびられた結果、天下人になれなかった宏池会二代会長・前尾繁三郎の無念を回避、見事に宏池会政権を手にしたことになる。前尾と交代した大平正芳は、佐藤派の盟友・田中角栄と連携して、日本外交の悲願の日中国交正常化という金星を射止めた。
遅ればせながら、昨日、初めて岸田の生の声を聞いて、今朝ほど頷いてしまった。彼は1か月前に「民主主義の危機」を叫んで総裁選に出馬した、と大声を張り上げた。これは単なる口から出た、出まかせではないだろう。彼の本心だ。この8年の内外政と安倍犯罪に、最近のフクシマ隠しのコロナ4兆円五輪賭博に、日本国民はすっかり沈んでしまっていた。絶望の二字が列島を覆ってしまっていた。まさに民主主義の危機そのものだった。
この間、自公3分の2体制に野党は、手も足も出なかった。法務検察からして、ゆでガエルそのものだった。
巨悪・安倍晋三を、石破と福田が、岸田の軍師よろしく身を捨てて、安倍を翻弄した功労者といっていい。神道・日本会議・統一教会の岩盤を、ほぼ崩壊させたと分析できるかもしれない。
岸田自身は、赤穂浪士の代表である大石内蔵助を演じたことになる。この結果に、安倍も麻生も今、地団太を踏んでいるはずだ。
自民党総裁記者会見で、早くもモリカケなどの安倍事件について「政治説明」をすると、大きく踏み込んで、心臓を青くさせている。「聞く耳を持つ」と公約した新総裁は、野党の追及に真摯に向き合って、法務検察の公正な捜査に期待するかもしれない。
安倍退治の手腕に注目したい。1%のための安倍経済路線に対しても、弱者に目を向けるという。コロナ退治は、初期症状の段階での医師の治療が不可欠だ。「島津レポート」によって、武漢ウイルスは米ウイスコンシン大学の日本研究者が、エイズなどのウイルスなどを使って見つけた「生物兵器」という事実も判明している。致死率は低いし、ワクチン接種の方がはるかに危険であることも分かってきている。イベルメクチンなどが効くことも、医学的に証明されている。イカサマの専門家医師団の口車に乗せられていいわけがない。政府専門家の尾身の病院での暴利も、発覚して報道されているではないか。
<河井1・5億円による宏池会壊滅作戦の仇討ち果たせるか>
この8年余、安倍と麻生太郎にいびられ、いたぶられてきた岸田の無念は、さぞや耐えがたいものだったろう。
自民党史上最低の暴君のもとで、言いなり外交・いいなり政策を推進する役割を担わされてきたのだから。鼻ずらにニンジンをぶら下げられて、マラソンをさせられてきた屈辱に、それでも歯を食いしばって、耐えて耐え抜いた岸田の忍耐力には、いまさらながら脱帽である。
改めて安倍の恐怖を誘引した石破の河野支援と、福田の息子が清和会若手をまとめ上げての安倍攻撃が、結果的に岸田の勝因となった。宏池会の軍師を称賛したい気分だ。
国民は政党助成金を使った、安倍の河井夫妻への1・5億円の真実を明らかにするよう強く厳しく求めている。岸田の地元・広島県連の意向だ。宏池会らしい宏池会の参院議員だった溝手顕正を、公明党創価学会を巻き込んで落選させられ、あわよくば宏池会を瓦解させようとした安倍の恐怖の策略に対して、ようやく倍返しの機会を手にした岸田・宏池会である。
「安倍の大好きな神社のしめ縄で締め上げるのではないか」との声も聞こえてきている。国民の声は、憲法と正義の法務検察を、強く求めている。どう始末をつけてゆくのか、自民党内も固唾を呑んで見守っている。
<宮澤喜一の墓前に何と報告?護憲リベラルの伝統維持できるか>
自民党保守本流・宏池会の始祖は、敗戦後の日本再建を果たした吉田茂である。他方で、日本を反共の砦にしようと画策する米謀略機関のCIAは、戦争責任者の岸信介を盛り立て、造船疑獄で再軍備に消極的な吉田を退陣させると、まずは鳩山一郎・民主党政権を誕生させた。その後に岸内閣誕生を狙った。
CIA資金のテコ入れで、保守合同後の自民党内を反共勢力で固めたが、護憲リベラルが結集して岸をいったんは阻止した。だが、無念にも勝者の石橋湛山が病に倒れ、政権は自動的に岸の手に落ちた。この恐ろしい野心を抱く反共岸内閣に対抗した人物が、被爆地・ヒロシマの憲法重視を当たり前としていた池田勇人だった。
「花も嵐も踏み越えて」の流行歌を口走りながら、岸の治安維持法のような警職法強行に反対、60年安保後の政権を手にした池田だった。この池田を支えたのが、大平と宮澤喜一ら大蔵官僚OB。後者もヒロシマの人だった。護憲リベラルこそが、保守本流・宏池会の伝統であった。
宮澤の薫陶を受けた政治家が、特に河野洋平・福田康夫と岸田だった。今回の政争劇は、奇しくも河野と福田のお陰だったことになる。
いつか岸田は、池田と宮澤の墓前に詣でることがあろうが、その時、なんと報告するだろうか。「宏池会の伝統を忘れていません」というしかないだろう。「民意に耳を傾けて、民主主義の危機を何としても乗り切る」とも報告するに違いない。
<安倍腰ぎんちゃくに手ぐすね引く野党と多数国民の大攻勢>
真っ先に人事に手を付けることになる。自民党の大黒柱・幹事長人事に注目したい。宏池会から起用できれば、立派なものだが、どうなるか。河野を起用するかどうか?
311の教訓を生かさないと、この国は常に沈没する危険に振り回される。東海村の核施設と六ケ所村も。気候大変動は、まじかの16号台風の大きさが今も証明している。原発を止めないと、この国は崩壊の危機に瀕している。もはや「安いエネルギー」「安全な原発」という大嘘を、ナベツネの読売でも宣伝できないだろう。
岸田は、寛容という言葉を何度も口にした。池田勇人内閣のスローガンを、彼は学んでいた証拠である。野党の言い分を取り入れることに抵抗はない。もはや安倍の時代は終わった。極右の清和会政治は、終わった。宏池会の政権は、清和会と天地の開きがある。この数日の岸田人事を注視したい!
宏池会路線を浮上させると、野党にとって一番厄介な政権となろう。反対に安倍服従政権だと、もっとも扱いやすい政権ともなろう。
2021年9月30日記(東芝製品不買運動の会代表・政治評論家・日本記者クラブ会員)
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