« 原発が温暖化の犯人!<本澤二郎の「日本の風景」(4097) | トップページ | 保守本流総決起<本澤二郎の「日本の風景」(4099) »

2021年5月28日 (金)

天下の法務大臣<本澤二郎の「日本の風景」(4098)

天下の法務大臣も?<本澤二郎の「日本の風景」(4098)

<秦野章と伊藤栄樹のロ事件攻防人事の背後に原発派・中曽根康弘>

 昨日ネットで面白い記事を見つけた。「闇の盾」というタイトル本の宣伝を兼ねたものらしい。法務大臣・秦野章が、戦後最大の疑獄事件・ロッキード事件関連で、田中角栄逮捕に一役買った、法務省刑事局長・伊藤栄樹の検事総長レールを阻止しようとした。結局のところ、成功しなかった。法務大臣の非力を嘆いて、焼け酒を煽る場面に同席した、寺尾という警視庁機動隊出身の当時の秘書の目撃本のようである。

 

 秦野というと、警視総監として話題の人だった。私学出の庶民派総監にマスコミはもてはやした。彼が法務大臣になった時、霞が関の赤煉瓦に一度だけ、彼とのインタビューで飛び込んだ記憶がある。友人の前田勲男が法相に就任した際、秦野同様、私学から内務省入りした渡辺一太郎の側近に頼まれた用件で、二度目の法務省の階段を昇った時は、既に赤煉瓦から合同庁舎に移っていた。大臣室の窓から日比谷公園が広がっていた。いまの主は、上川陽子だ。オウム死刑囚を束ねて死刑執行して、安倍を喜ばせた彼女は、一躍時の人になった。

 

 ロッキード事件というと、元首相・田中角栄逮捕に象徴されるが、三木武夫内閣の法相・稲葉修の独壇場だった。東京地検特捜部の堀田が捜査指揮を執り、法務省刑事局長の伊藤が、国会答弁で切り抜けた。

 米国の検察に対して、嘱託尋問という違法捜査も、田中逮捕で帳消しにするといういい加減なものだった。このことをまともな法曹人は、おかしいとクレームをつけたが、マスコミは取り上げなかった。それどころか、ロ事件の本丸である右翼のドン・児玉誉士夫と中曾根康弘に流れた、莫大な買収事件の捜査をしなかった。P3C対潜哨戒機の国産化に突っ走っていた中曽根を抑え込むための巨額資金に対して、時の三木内閣・法務省・東京地検も、そしてマスコミも問題にしなかった。

 

 法の平等に違反した捜査を、法相になった秦野としては、にっくき伊藤を検事総長へのレールに乗せる訳にはいかなかったが、見事に失敗した。

 

<秦野秘書本を「現代ビジネス」が大宣伝記事>

 この秦野秘書本は、一見面白そうだが、残念ながら真相をついていない。臥龍点睛を欠いている。念のため、ネットを開いて見ると、この本は大手の講談社が出版していた。「現代ビジネス」の親会社なのか。その宣伝も、仰天するほど振るっているではないか。

 

 秦野秘書というと、時事通信社会部の豊島記者が、全てを取り仕切っていた。おそらく警視総監時代、彼は警視庁担当の記者だったのであろう。秦野にスカウトされたのだ。寺尾は彼の配下にちがいない。

 

 ともあれ講談社は、本人が赤面するほど、臆面もなく「政界・警察・芸能界の守り神」とハッタリを噛ませるだけでなく、「日本最強の危機管理会社」と彼の会社まで持ち上げて紹介している。会社名は「日本リスクコントロール」。宣伝が事実に近いとすれば、寺尾という元秘書は隠れた出世頭といえる。

 

 この人物を、元首相の細川護熙がべた誉めなのだ。彼も世話になったのであろうか。「闇の盾」は、秦野法相の苦悩の場面を紹介しているが、この部分は正しい。筆者は、法相を降りた後の秦野と「日本警察改革論」をまとめた。エール出版の要請に応じたものである。

 

 「ハマコーは稲川会系の下っ端やくざ」「右翼・暴力団・総会屋は一体」ということを、彼から学んだ。しかし、政治屋とやくざの深い仲、やくざは強姦魔で、女性を性奴隷にして、歓楽街の支配者であるという、木更津レイプ殺人事件と遭遇したことで知りえた常識を、当時は知らなかったし、語ってもくれなかった。

 

 社会部記者なら知っている常識を知らないまま、馬齢を重ねてきたことになる。無知の知に気付かされる年代に入った。それにしても、ただ売らんかなの出版社のやりすぎ宣伝には、抵抗を感じるが、それも活字文化の衰退の裏返しなのだろう。

 

<「法務大臣も無力」を嘆く下りを紹介してるが片手落ち>

 法務大臣・秦野章の法務省刑事局長・伊藤栄樹は、昨今の安倍と菅が重用した黒川弘務に、やや相当するのだろう。官邸に忖度する検察官僚にブレーキをかけのは世論の力だった。

 

 晩年、初めて秦野が自宅に電話をくれたが、あいにく留守だった。次男のことでバタバタしていて、返事する余裕がなかった。思うに、溜め込んでいる秘事を打ち明けたかったのかもしれない。彼の用件を聞かずに、生涯の別れとなった。後悔先に立たずだ。

 

 後悔しない上川陽子であってほしい。

 

 秦野秘書は、当時の内閣が中曽根内閣だったという事実について、言及したのかどうか、本を見てないので分からない。理由ははっきりしている。中曽根は、ロ事件で断頭台に登らなければならなかった。しかし、盟友の稲葉法相と伊藤刑事局長、そして東京地検特捜部の堀田によって、中曽根捜査を封じ込めた。そのおかげで、中曽根は天下人になった。大恩人である伊藤を検事総長にする責任が、中曽根首相にあったのだ。

 

 それゆえに秦野は、伊藤人事に失敗、晴れて彼は東京高検検事長から検事総長へと昇りつめた。秦野は中曽根への憎しみの弁を吐いていたはずだが、そこは遠慮したのか?

 

<伊藤検事総長に救われたロ事件真犯人の平成の妖怪>

 中曽根捜査をしなくて出世した伊藤栄樹である。それを紙面その他で支援した朝日新聞だった。彼は検事総長として「巨悪を眠らせない」と訓示したという。つまりは「巨悪を眠らせたことで大出世した自身を戒めた」といえそうである。

 

 「秋霜烈日」という題名の本を朝日から出しているが、安倍犯罪の嘘を毎年聞かされてきた国民にとって、検察の不正義に今も泣かされっぱなしだ。巨悪は長寿を全うしたが、巨悪を眠らせた法務省刑事局長は、検察の最高位を手にしたが、中曽根のように長生き出来なかった。

 

 「平成の妖怪」の名付け親は、しかし、あと20年生きて、自由自在に書きまくってやろうと意気盛んである。「巨悪を眠らせないジャーナリストらしいジャーナリスト」が列島を制覇すれば、三権分立も正常化する。自立するアジアの日本誕生である。正義の法務検察も実現するだろう。

2021年5月28日記(東芝不買運動の会代表・政治評論家・日本記者クラブ会員)

 

 

(現代ビジネス・闇の盾)話を聞くうち、秦野先生の怒りの原因が少し、見えてきた。実はこの直前、伊藤栄樹(いとう
しげき
)最高検次長検事が、東京高検検事長に昇格することが決まっていた。東京高検検事長は、確実に検事総長となる「待機ポスト」である。つまりこの人事は、伊藤栄樹の検事総長昇格を意味していた。
伊藤はロッキード事件当時、法務省刑事局長を務めた検察のエースだが、秦野先生は、伊藤の検事総長就任をなんとしてでも阻止しようとしていた。

« 原発が温暖化の犯人!<本澤二郎の「日本の風景」(4097) | トップページ | 保守本流総決起<本澤二郎の「日本の風景」(4099) »

恐ろしい国」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 原発が温暖化の犯人!<本澤二郎の「日本の風景」(4097) | トップページ | 保守本流総決起<本澤二郎の「日本の風景」(4099) »

2021年9月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    
無料ブログはココログ