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2021年2月13日 (土)

深刻な米経済<本澤二郎の「日本の風景」(3993)

深刻な米経済<本澤二郎の「日本の風景」(3993)

FRB議長の「失業率は10%近い」の衝撃分析>

【ワシントン時事】米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は10日、新型コロナウイルス危機を受けて実際の米失業率は10%近くに悪化していると懸念を示した上で、「金融緩和を忍耐強く続けることが重要だ」と、景気下支え策の維持を明言した。オンラインでのイベントで語った。

(アメリカ南部テキサス州で11日、およそ130台の車が絡む多重衝突事故があり、6人が死亡、65人がけがをしました

 

 今朝ほどのテレビは、2月11日の米保守地盤で知られるテキサス州で、130台もの車がからむ事故が発生したと報じた。単なる凍結が原因なのか?

 

 また、FRB議長が「米国の失業率は10%近い」との厳しい数字を明かして、経済専門家を驚かせた。トランプ+コロナ=10%失業率を一般人は、どういうことか、具体的に理解できないだろう。

 

 筆者は1993年3月、1か月かけて米国全土を取材旅行を敢行し、それを「アメリカの大警告」(データハウス)として上梓した。レーガンの米ソ核軍拡競争で疲弊しきったアメリカの現状を見聞、まとめたもので、そのころ日本では、小沢一郎や読売新聞が、改憲に向けての小選挙区制を導入に突進、軍国主義に舵を切ろうとしていた。

 

 その真犯人を、ワシントンなどで見つけようとした取材旅行だった。昨日、書棚から取り出して開いて見たが、われながらよく書けている。戦後のアメリカ事情に、突出して詳しかった宮澤喜一が絶賛してくれた本である。アメリカン・リベラルのクリントン大統領が、政権を発足させた直後のことで、実にタイミングが良かった時機だった。

 

<平均7%失業のアメリカ訪問で目撃した厳しい現状に愕然>

 米国が誇る、フランス人が設計した見事な首都・ワシントンDCの大統領府・ホワイトハウス前には、住宅を失ったホームレスが群れていた。弱者の抵抗であろう。日本のホームレスは、どこに追いやられているのか、気にはなる。 

 早朝に時差ボケを解消しようとしてホテル近くを散策していると、突然、190センチもあろう長身の黒人が前を遮った。両手に缶詰めの空を差し出した。

 物乞いする黒人青年だった。びっくりして、心が凍るほどだったことを、今も忘れない。

 

 路上のほとんどが割れていて、雨が降ると、走り去る車が水しぶきを上げて、歩行者を泣かせていた。世界に冠たる軍事・経済大国も、その片鱗も見せていなかった。帝国が崩壊する過程を、しみじみと味わった。

 

 レーガン軍拡で、軍需産業が幅を利かせていた、西岸のカルフォルニア州の失業率は、抜きん出ていて9%だった。アメリカを代表して、優雅な生活を送っていた多くのエリートたちが、仕事を失って、精神にも重い異常をきたしていた。

 中産階級から没落する人たちを調査している関係者の話を聞くと、その深刻さは耐えられない辛いものだった。「突然、仕事が無くなった高級エンジニアは、そのことを妻に言うことが出来ない。時間になると、家を出て夕刻に帰るものだから、家族は夫の失業を知らない。知らせられない夫の精神は、破壊してしまっている」というような内容だった。

 

 中曽根バブル崩壊後の日本でも、そして現在、世界恐慌とコロナの中で電通五輪に熱中する菅・自公内閣の下で、同じような悲劇が起きていることを考えると、清和会政治とりわけ戦争法制強行に明け暮れ、財閥1%優遇の安倍軍拡内閣、それを補完した公明党創価学会の罪は、万死に値しよう。

 

 現在、ワシントンのバイデン政権が、五輪にうつつを抜かせる状態にない。選手と観客の安全が確保できるのか、それを科学的に判断したうえで、と菅の電通五輪を突き放している。しかも、共和党右翼・トランプのワシントンに徹底して底入れしてきた東京に対して、民主党政権は違和感を抱いていることも、重要な要素である。

 

 米民主党リベラルは、日本の軍国主義・国家主義を嫌う。改憲軍拡に興味を示さないことも、いい加減すぎたトランプ利権政治と異なる。日本の新聞テレビの危うさは、民主党リベラルについて不勉強すぎる。

 

 クリントン政権は、大掛かりな軍縮を断行した。基地の閉鎖も強行した。軍のスリム化も必死でやりぬいた。クリントンの女性問題は、その反対給付となったが、彼はおおむねアメリカ経済を立て直して、2期8年をワシントンで過ごすことが出来た。

 

 アメリカン民主主義は、トランプの4年の間、痛めつけられたが、徐々に回復すると見たい。バーニー・サンダースの大統領候補の善戦が裏付けている。

 

<2029年に中米GDP逆転説は絵空事とはいえない>

 国際社会は、世界的な恐慌下にコロナ襲来が加わって、深く傷ついて、その挙句に責任を他国に押し付けて、対立するという愚かな潮流に巻き込まれている。

 

 その図面を、日本会議の安倍が、外交音痴のトランプに押し付け、それが今も生き残っている。中国包囲網による台湾防衛である。英独までインド太平洋に艦艇を向けてきている。清朝末期の8か国連合軍の襲撃を想起させるものだが、腐敗しきった清朝と、腐敗退治の今の中国は、大きく異なる。

 

 アメリカのシンクタンクの中にも「封じ込めは、骨折り損のくたびれ儲け」との研究もなされている。台湾の学者でさえも。中国は日本にとってのみならず、かけがえのない貿易相手国である。世界の消費市場の地位は、実績から見ると、揺らいでいない。コロナを事実上、克服している中国を、経済専門家は注目している。

 

 確かに、欧米日本などと比較すると、14億人をコロナから守っている事実は、驚異的であろう。現に、経済成長は止まっていない。脱酸素社会への切り替えも、素早い。体制の強みは、しかし、裏返すと弱みでもある。香港問題や南沙諸島問題などを、外交力でどう処理するか、外交力が試されている。

 

 2029年にGDPで、アメリカを越える可能性を、否定は出来ないだろう。コロナ被害は、欧米により厳しいものになっている。宇都宮徳馬ではないが、日本は「アジアに立つ」(講談社)しかないだろう。

 バイデン政権の4年のかじ取りは、クリントンのそれよりも大きな力を必要とするだろう。株バブルの破裂に落ち込む危険は、日米ともである。安倍とトランプの治世は、両国の土台をとことん、突き崩したもので、全く評価できない。

2021年2月13日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

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