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2020年10月 6日 (火)

国家主義の爪<本澤二郎の「日本の風景」(3866)

国家主義の爪<本澤二郎の「日本の風景」(3866)

<立憲主義・9条を踏みにじり、言論・学問の基本権蹂躙>

 前川喜平元文科事務次官のインタビュー記事を、昨夜ネット記事で目にしてみて、正直に本音でいうと、改めて安倍内閣の国家主義・大日本帝国主義化路線が、安倍の泥被り役に徹した論功で、後継者の地位を手にした菅義偉・自公内閣のもとでも、国家主義イデオロギーが見事に貫徹されていることについて、心底から心が凍りつく思いである。勇気ある識者に訴えたい。

 

 国家主義も民主主義も区別のつかない菅番記者を、完全オフレコの朝食会に誘惑した菅は、他方で日本学術会議推薦人排除を断行して、衣の下の鎧兜である国家主義の爪をひけらかしていたのである。

 

 この危険な罠である朝食会に朝日新聞・東京新聞の二紙と書いたが、実際は毎日新聞、京都新聞も欠席して、抵抗をしていたことを、この場で付記しておく。電通の大株主の共同・時事の覚醒を期待したい。

 

 日本国憲法は、公人の憲法順守を義務付けている、立憲主義の、世界に冠たる平和憲法である。だが、自公政府は、3分の2の議席を背景にして、暴政に徹してきた。改憲軍拡論は9条違反である。具体例が、戦争三法(特定秘密保護法・自衛隊参戦法・共謀罪)の強行だった。背後で言論の自由権を奪い、ここにきて当たり前のように、学問の自由権に踏み込んだ。

 

 憲法の根幹部分を、根こそぎ破壊してきていることに日本国民は気づくべきだ。世の識者が、軍靴に怯えて当然のことだろう。

 

 

<21世紀の特務機関・電通が新聞テレビを拘束>

 国民を欺く手段は、言論の自由という憲法が保障する基本権を制約、弾圧することで可能となる。この7年8か月がそうだった。そして今も。

 その主役が、21世紀の特務機関といえる広告代理店を名乗る電通である。

 

 財閥の広告費を武器にすることで、新聞テレビの編集権を容易に操るのである。日本の新聞テレビの最大の弱点を、巧みに悪用して、政府の情報操作をしている。このことについて、筆者もまた猛省するばかりである。無知が犯罪であることに、いたく衝撃を受けている現在である。

 

 世界不況・コロナ恐慌下と新聞テレビ離れも、電通の悪魔の脅威を異常に拡大させている。史上最低の内閣が、7年8か月も継続した原因である。新聞テレビ関係者は、自ら生き延びることによって、国民を疲弊させ、国家主義という恐怖の悪政を存続させてきたことになる。

 

 このままでは、電通もろとも日本列島は、いずれ海中に沈むことになる。その先導役が日本銀行というのも、驚きである。

 

NHKを人事権強行でリベラル編集者排除、政府の宣伝機関化>

 国家主義は、戦前の政治体制で憲法が排除した政治体制であるが、これが戦後復活するのは、戦争責任者のA級戦犯として敗戦後拘束された岸信介が、こともあろうに首相の座を占めたことによる。次いで中曽根康弘を経て、安倍内閣に辿り着いて、真っ黒な花が開花した。

 

 小渕恵三急死のあとの「神の国政権」と公言した清和会・森喜朗内閣、侵略戦争で亡くなった戦死者を合祀するという靖国神社参拝の小泉純一郎内閣を経て、史上最低の暴政内閣が誕生した。

 

 安倍が真っ先に手を付けた人事権乱用は、公共放送のはずのNHKを政府の広報宣伝部にすることだった。菅はここでハマで仕込んだやくざ文化をひけらかして、リベラル派を追放することに成功した。

 

 これで、もはや敵なしの世論操作体制が確立した。是非とも多くの国民が理解すべき事柄である。筆者はテレビも廃棄して、家族から嫌われている。

 

<人事権乱用で内閣法制局をイデオロギー派で固め>

 国家主義は、権力を乱用・暴走させることで、人事権を100%悪用行使する。そうして、政府の方針を強行するヒラメのような人物を要職に就けて、目的を強行する。その典型的な事例が、集団的自衛権の行使という憲法違反を、公然と突破した。

 

 その立役者が、国家主義に加担した内閣法制局である。人事権乱用によって、あっさりと実現して、世人を驚かせた。あとは3分の2の国会の議席で強行した。自民党内は、既に小選挙区体制のもとで、党内の言論の自由は封じ込められていた。

 

 以前であれば、ここで党内リベラル派が決起する場面だったが、岸田・宏池会は、安倍の軍門に下っていて、虫の声さえ出さなかった。岸田文雄が、政治家失格のレッテルを張られた瞬間となった。

 

 かくして、アメリカの戦争屋を支援する防衛省・自衛隊に変質した。これを支持する国民は、新聞テレビの世論操作の罠にかかっていて、10万、100万の規模の大衆運動は、とうとう表面化しなかった。

 

 

<憲法順守リベラル派・宏池会を追放した安倍・菅・二階の独裁体制>

 7年8か月を俯瞰してみると、自民党内からリベラル派が姿を消していた。その決定打が、昨年7月の参院選での広島戦争だった。

 

 ここで岸田・宏池会の現職・溝手顕正を、1・5億円投入の河井夫妻テコ入れと、公明党創価学会による溝手封じの策略によって、河井案里を勝者にさせた。いうまでもなく宏池会壊滅作戦の成功である。

 

 これを仕掛けた主犯は、反リベラルの安倍国粋主義者である。共犯者は、当時官房長官の菅と幹事長の二階。この場面でも、岸田は安倍からの政権禅譲を期待して、宏池会壊滅作戦の全体像をつかめなかった。安倍に徹底して服従することの恐怖を、安倍後継選挙で彼は初めて気づかされた。1・5億事件全容解明に、林真琴検察が動くのか、動かないのか。

 

 この延長線上に、目下宏池会反安倍の林芳正参院議員の衆院鞍替え作戦が浮上している。受けて立つ老骨の二階派・河村建夫支援に、二階派の半数が大挙して山口県入りして気勢を上げたばかりである。林は無所属になって二階派と対決することになろう。広島戦争は、山口戦争へと移行することになるが、カギは林が宏池会のリベラルを貫けるかどうか、である。

 

<議会では自民党唯一のリベラル宏池会・岸田派追放>

 山口戦争で林が勝てば、宏池会の復活も夢ではないが、広島戦争で敗北したことで、自民党内は国家主義が浸透、いまや二階派にも伝染している。

 

 選挙は金がものをいう。繰り返すが、気が付くと、リベラル派が消えてなくなっていた。広島の池田勇人が創設した保守本流が、改憲軍拡の保守傍流の、山口の安倍に撃沈されて、すっかり存在感を喪失した宏池会の行方は、林芳正の双肩にかかっている。

 

 反菅の麻生派と大宏池会誕生の行方も期待を持たせることになるが、果たして麻生にその度量があるのかどうか。国家主義の台頭の継続が、日本の分断を、アメリカ以上に深刻化させていく可能性もつよい。

 

 リベラルの基調には、寛容・思いやり・民意を重視する思想がある。国民のコンセンサスを大事にする護憲リベラルに、人々が覚醒できるかどうか。当面、東京新聞・朝日新聞・毎日新聞の奮闘に期待するほかないのか。

 

<公明党創価学会執行部も池田信奉の改革派に除名の嵐>

 今回の日本学術会議に対する政治介入事件は、要は国家主義に従うものはいいが、反対派は排除するという安倍ラインの踏襲である。極右・日本会議の路線である。

 

 同時に、戦争三法に加担した公明党創価学会執行部もまた、同じような政治体質をひけらかしていることが、改革派で池田主義信奉派の除名排除事件で表面化している。信教の自由を放棄した創価学会執行部である。

 

 筆者は、初めて公明党創価学会執行部の過ちを批判して、昨年7月参院選に出馬、21万票もの支持を得た野原善正に対して、除名排除する国家主義の爪を知って、これまた驚かされている。

 

 風雲急を告げる日本列島の前途は、コロナ恐慌の下で激しく揺れて、前途が怪しくなるばかりである。

2020年10月6日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

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