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2020年9月 9日 (水)

コケにされた名門派閥<本澤二郎の「日本の風景」(3839)

コケにされた名門派閥<本澤二郎の「日本の風景」(3839)

<電通・五輪お庭番・森喜朗までも嘘の上塗り>

 「安倍ちゃんの本当の心は岸田だった」とは、電通五輪のお庭番・森喜朗が発した、と昨日のネット報道で目にした。「サメの脳みそ」らしい安倍擁護論であるが、自民党の名門派閥・宏池会関係者で、森発言を素直に聞くものなど一人もいないだろう。

 

 事情通にとって、それは「森にまでコケにされた宏池会」「堕ちるとこまで落ちてしまった宏池会」を印象付けていようか。宏池会つぶしが、清和会の派閥目標だったが、遂に実現したとの思い上がりが、森の追い打ち発言となったものだろう。

 

<安倍・麻生に騙されて、騙されて総裁選でピエロ役>

 昨日の自民党本部での菅・石破・岸田三者の自民党総裁選候補者記者会見を少し、インターネットで見てしまったが、誰が見ても一番の劣等生は、安倍が推した本命の菅だった。自らの無能を隠そうと、日ごろからの硬い口を貝のように閉ざしてしまい、意味不明の連発だった。

 

 本来の党員選挙からの総裁選挙を実施していたら、菅の無能・無力を世界に露呈する総裁選になったことは間違いない。

 

 そこでも、安倍や麻生から「次は君だよ」という、生き馬の目を抜く永田町特有の、騙しのささやきに乗ってしまった岸田文雄という、宏池会会長のピエロ役に、サーカスの観客もうんざりだったろう。

 

 岸田ピエロは、その場面でも財閥1%のための、大衆いじめの安倍政治を評価する発言をした。腰を抜かした国民が多かったに違いない。

 

 宏池会創設者・池田勇人内閣の官房長官・黒金泰美の「宏池会政治は、国民のコンセンサス(合意)を政治に生かすことに尽きる」わけだから、安倍には民を慈しむという理念・信条はこれっぽちもなかった。憲法違反の戦争三法やカジノ法などの悪政・暴政の連続で、一部の株好きを喜ばせただけだった。そんな安倍・日本会議を持ち上げてしまった岸田である。

 

 岸田には、宏池会の理念・伝統を忘却してしまったのか、安倍レベルの政治家失格もいいところだ。

 

<宏池会の伝統・護憲リベラルの旗を降ろさせられて無残>

 筆者が宏池会と出会ったのは、1972年のことだった。7年8か月の佐藤栄作内閣が、沖縄返還を花道に退陣する総裁選のさ中でもあった。宏池会は田中六助ら血気盛んな面々が、前尾に代わって大平正芳を擁立、勢いがあった。参謀の鈴木善幸が、佐藤派分裂を想定して、党人派の田中角栄と連携、岸信介と佐藤の兄弟が支援する福田赳夫封じ込めの多数派工作に専念していた。

 

 福田封じの決め球が、中国との国交回復実現だった。いうところの大角連合で、三木派や中曽根派を糾合して、7月7日に田中内閣が誕生、大平は外相になると、一気呵成に中国との歴史的な正常化を実現した。

 

 日本の戦後外交の金字塔である。平和条約は、福田内閣の大平幹事長の手腕で、台湾派の岸がまとわりつく福田首相を説得して、これを実現した。大平は自ら政権を担当すると、中国に政府開発援助の供与を約束した。これが、90年代の中国の高度成長の起爆剤となったものである。

 

 大平が倒れると、鈴木が後継した。続く中曽根、竹下、宇野、海部内閣を経て宮澤内閣が誕生した。宏池会の護憲リベラルは、岸や中曽根の戦前派国家主義政治に対抗することで、自民党を国民の側に引き寄せてきた実績は、高く評価されよう。

 

 この評価される自民党護憲リベラルを、完璧に叩き潰した元凶が安倍・日本会議の極右政権だった。岸田には、そうした認識がないらしい。自ら墓穴を掘ってしまった点では、自業自得であろう。

 

<清和会・信濃町の3分の2議席の哀れ敗残者>

 護憲リベラルは、日本国民の平和主義に根差したものだ。他方、財閥の武器弾薬利権にまとわりつく岸や中曽根の国家主義は、1%と彼らのためにワシントンに目を向けるため、必然的に改憲軍拡派を名乗ることになる。

 彼らに政治家はいない。政治屋ばかりである。

 

 これは言論界も同様で、財閥1%の電通広告にぶら下がる新聞テレビが、読売・日本テレビ、産経のフジテレビ、そして日経・テレビ東京などで、そこでは露骨な改憲論を人々に流し込んできている。言論の自由という民主主義ジャーナリズムの原則を、自ら封じ込めている。

 

 そして最近になって気が付くと、ほとんどの新聞テレビが、護憲リベラルの旗を降ろしてきている。電通の大魔神に屈した証拠である。財閥広告に屈する言論界が、国民のための正義・公正という視点からの権力監視を、著しく低下させている。

 

 電通支援の清和会政治と比例して、公明党創価学会のマスコミ対策に、これまた新聞テレビが自粛して、批判記事を書かなくなってしまった。

 

 かくして、新聞テレビで日本の真実を知ることが出来ない、言論劣化国に成

り下がって、独裁国レベルに成り下がっている。

 

 他方、北朝鮮の核問題や拉致問題を大きく報道する、政府の意向を反映したマスコミの狙いは、人々に偏狭なナショナリズムを植え付けることになる。日本会議・電通の狙いは、憲法改正に向けた世論操作なのだ。

 

 こうした悪しき土壌の背後にあるのは、国民の代表である国会で、政府与党が3分の2という圧倒的な議席を有している、そのためである。なぜか?安倍の極右化に服従する公明党創価学会、特に太田ショウコウと山口那津男と原田ら執行部の面々の池田裏切り人の自民党支援に尽きる。

 

 昨年7月の参院選広島選挙区での河井案里擁立の岸田・宏池会つぶしは、菅・安倍・二階の党本部からの1・5億円+公明党創価学会票の二つの要因で達成できたものである。以来、岸田評価が内外で激減、ついにはサーカスのピエロへと墜落してしまった。

 

<前尾繁三郎の時は大平正芳が汚名挽回、岸田には?>

 佐藤栄作の7年8か月の長期政権に対抗した前尾は、敗者となって大平が汚名挽回を果たし、名門派閥の復活に成功した。水面下での田中角栄との友情・信頼が開花したものだった。

 

 安倍内閣7年8か月の岸田は、ひたすら禅譲に賭けていた。政界の人間にとって、これは不思議なことであるが、前述した自公連携による3分の2の議席が、岸田の出番を封じ込めたものでもあろう。

 せめて石破との水面下の連携だ出来なかったのか?いまの宏池会の構成員を知らないが、大平を支援したような若手熱血漢がいなかった?参謀不在、小選挙区制下の国会議員の質的低下も原因かもしれない。

 

 提言したい!宏池会は護憲リベラルの旗を掲げ、国民との連帯を図ることで、相応の展望が開けるだろう。日本国民は支持する!

2020年9月9日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

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