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2020年7月10日 (金)

自民党保守本流の前途<本澤二郎の「日本の風景」(3780)

自民党保守本流の前途<本澤二郎の「日本の風景」(3780)

<吉田茂の憲法制定派=強権排除・寛容と経済重視=池田勇人宏池会>

 ことし8月で、敗戦後の日本は75年を迎える。我が埴生の宿の居間に程遠い粗末な部屋に、池田勇人の娘婿・行彦との写真が飾ってある。彼は60年安保闘争で亡くなった樺美智子の友人で、東大赤門を抜け出しては、彼女らと国会デモに参加していた。のちに大蔵官僚となって、池田の長女と結婚、自民党保守本流・宏池会の旗手になったが、無念にも病に倒れてしまった。

 時あたかも、我が家も次男の医療事故で、国政に目を向ける余裕を失っていた。

 

 戦後の保守政治は、占領下において英米派外交官の吉田茂の下で、戦前の忌まわしい天皇制国家主義を排除、同時並行して廃墟の日本列島の経済復興を成し遂げた。吉田治政は、文句なしに吉田自由党の実績である。不戦の平和憲法を制定した吉田政治は、一番弟子の池田に継承される。

 宏池会の伝統は、リベラル憲法を武器にしての、リベラル・自由主義を基調とした経済重視である。国民の合意を政策に反映する寛容政治は、今日において一段と重視されるはずだが、目下のところ、肝心の永田町でかすんでしまって、国民に不安をまき散らしている。

 

 野党の体たらくを見せつけられている主権者にとって、宏池会の復活再生が何よりも重要であるのだが、見通しは明るくない。岸田文雄の宏池会・保守本流は、風前の灯である。宏池会の健闘に期待する国民は多いのだが。

 

<55年体制の保守合同で戦争追放組合流=岸信介の傍流誕生>

 吉田が好んで色紙に書いた文言は「吞舟之魚支流不泳」で、傍流の戦争責任者のパージ・追放組に屈するはずなどなかった。

 対抗する鳩山一郎・岸信介・児玉誉士夫や右翼ら戦争追放組は、米CIAの支援を受けて55年の保守合同で、足場を固めた。この場面で、自由民主党の綱領に「自主憲法」を押し込んだものだが、保守本流は歯牙にもかけなかった。

 

 米ソ冷戦下、ワシントンの圧力と抵抗しながらの保守本流政治は、池田内閣で、岸内閣の新台湾路線から日中友好路線に舵を切り、池田内閣の外相から再び田中内閣でも外相を歴任した大平正芳の手で、国交正常化を実現した。

 田中内閣は、中国に次いで、戦後外交の課題であった北朝鮮との正常化を実現する寸前、金脈問題で退陣に追い込まれた。台湾派の岸・児玉一派と文春立花言論に屈してしまった。

 余談だが、安倍スキャンダル報道に得点を挙げている現在の文春だが、安倍の本丸追及は、常に避けている。ここを見逃しては、臥竜点睛を欠く。

 

 戦前派・保守傍流は、天皇制国家主義復活を目的・悲願にしている。安倍改憲論は、傍流派の悲願であって、暴利をむさぼる財閥の意向と重なる。目下、電通とNHKがこれに突っ込んでいることは注目すべきだろう。

 歴史認識で隣国と対決する外交目的は、緊張を生み出すことで、国民に偏狭なナショナリズムを植え付けて、改憲を強行するための土壌づくりが狙いだ。NHK報道と電通の言論誘導が裏付けてもいる。

 

 以上の点は、極めて重大な日本とアジア諸国民の課題であろう。

 戦犯岸路線そのものが、ばく進している今なのだ。戦争する日本、戦争できる日本が、保守傍流の悲願である。戦争反対派は決して同調できない。災害にかこつけての、緊急事態条項を口実にした改憲論に騙されてはなるまい。

 

<リベラル宏池会VS改憲派の確執=派閥による政治の活性化>

 戦後75年を振り返ってみると、保守本流が健在なときは、傍流の軍国主義路線が幅を利かせることはなかった。

 リベラル宏池会・保守本流が、歯止めの役割を果たしてきたせいである。いま変わった。自衛隊員やその家族、子供を持つ親たちは、集団的自衛権を行使する法解釈変更のもとで、安保・戦争法制を強行した自民党と公明党創価学会に反発を強めている。

 それは、派閥による自民党内の権力抑制機能が衰退してしまったためでもある。新聞が「1強」と宣伝する政治状況は、派閥の衰退と比例している。すなわち、アベ独裁を意味する。

 

<異変=小選挙区制導入=派閥の弱体化(言論の自由喪失>

 中選挙区制に反対した最初の人物は、岸信介ら右翼の面々である。中選挙区制では、民意がかなり反映するため、改憲に必要な3分の2の議席確保が、不可能だ。現在は公明党創価学会を集票マシーンとして組み込んだことから、それが可能となって、リベラル護憲派を揺さぶり続けている。

 

 小選挙区制だと、政党の公認を取った自民党候補は、街頭でマイクを握るだけで、国会議員になることが出来る。安逸をむさぼる、石ころのような小者議員ばかりの自民党と公明党である。

 派閥も名存実亡で、機能していない。言論の自由を喪失した議員集団と化している。

 

<自公・日本会議主導(99年体制)による独裁政治の開花>

 独裁政治という言葉は、この7年有余の間に定着した。戦争三法やカジノ法など憲法違反や問題のギャンブル法が、強行されるという事態は、過去に想定さえできなかった。公明党の悪辣さは言語に絶する。

 

 比例して新聞テレビは、権力監視というもっとも大事な役割を放棄してしまっている。国民の代表という唯一の任務放棄である。繰り返すまでもなくNHKばかりではない。電通の言論操作に屈してしまった。

 信じがたいこと、それは自公連立の99年体制ということになる。戦前の国家神道の後裔である神社本庁や、河井事件で表面化している統一教会、さらに生長の家などカルト教団を束ねるような日本会議と創価学会による99体制下、事実上の独裁政治が開花した日本にある。

 

<小渕恵三急死で清和会・岸崇拝派の森喜朗内閣から変質>

 振り返ると、経世会の小渕恵三の急死を奇禍として、清和会の森喜朗が政権を担当した。「日本は天皇を中心とした神の国」という神がかりの信仰集団である清和会が、次いで小泉純一郎を経由して、安倍晋三へと継承されてしまった。岸政治の再現に、人々は戸惑い、苦悶の日々を送っている。

 

<1・5億円の広島戦争=安倍の宏池会壊滅作戦勃発>

 極め付きが、昨年7月参院選の広島戦争だ。「私の後は岸田文雄だ」と新聞テレビに吹聴する一方で、その実、祖父岸の大敵である怨念リベラル派閥・宏池会を壊滅・打倒作戦に安倍は、突入した。官房長官の菅と自民党幹事長の二階を引きずり込んで、カルト教団の河井夫妻に1・5億円を投入した。作戦通り、岸田のおひざ元の現職で反安倍の溝手顕正を落選させた。

 安倍の仕掛けた大きな罠に、岸田をまんまと落とし込んだ。だが、1・5億円投入を河井案里は公然と口にして、安倍は窮地に立たされている。

 その過程で黒川弘務の定年延長、続く検察庁法改正案となった。安倍清和会と岸田宏池会の仁義なき死闘を印象付けている。

 その行方のカギを握るのが、稲田検察だが、彼は逃げ支度を始めている。

 

 平和を愛する日本国民の怒りは、稲田と安倍・菅・二階に向けられることになる。首の皮一枚で踏ん張っている宏池会、池田勇人の名門派閥・保守本流のに大義はあるのだが!

2020年7月10日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

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