« 三等国になった日本<本澤二郎の「日本の風景」(3405) | トップページ | 戦争未亡人の声(上)<本澤二郎の「日本の風景」(3407) »

2019年8月16日 (金)

戦争遺児と8・15<本澤二郎「日本の風景」(3406)

戦争遺児と8・15<本澤二郎の「日本の風景」(3406)

<泣きたくなるような武道館の全国戦没者追悼式>

 8・15は日本とアジア諸国民にとって、格別な時を刻む緊張する日である。74年目の8・15戦没者追悼式を初めて生放送で見てしまった。見たいわけではなかったが、台風情報をネットテレビで見ているうちに、武道館での生放送が始まった。

 三権の長の「追悼の辞」に心を打つような言葉はなかった。女性参院議長が、ことによると同性のよしみで、従軍慰安婦のことや、天皇のケダモノ軍隊に凌辱後に殺害された、アジアの無数女性たちの無念を言及するという期待も外れた。

 田中角栄が引き立てたことで政界入りした山東昭子は、ごく普通の無能・無責任な歴史を理解しない女性議員に過ぎなかった。いよいよもって、平和を願う大衆は、改憲のための2019年危機到来におびえるしかないのか。

 

 安倍晋三が誕生させたような新天皇と、そばにかしずくだけの皇后にも期待する言葉も仕草もなかった。そこから初めて、戦争未亡人と戦争遺児のことが、心に引っかかって考え込んでしまった。再婚もせずに、ひたすら戦場で虫けらのように死んでいった夫との一粒種の遺児K・T子さんを立派に育て上げた「岸壁の母親」のことと、木更津市巌根の介護施設「かけはし」のやくざ浜名にかみ殺された戦争遺児の非情すぎる無念を、さらにはケダモノの日本兵に殺戮されたアジアの女性たちを、少しでも癒してくれるような、国民の心を打つ意味のある国家行事ではなかった。

 

<檻の中で満足する日本の女性の哀れ>

 日本の戦前は、国家神道・教育勅語・大日本帝国憲法で、天皇の赤紙一枚で青年どころか、家庭を持つ男性まで戦場に引きずり出して、獰猛な植民地支配と侵略戦争にのめりこんで、そこから足を抜けることができないまま、沖縄・広島・長崎を経て無条件降伏した8・15である。

 その最大の被害者は、隣国の婦女子であり、自国の女性たちだった。

 

 この国の恥部を、レイプ文化であると教えてくれた契機は「木更津レイプ殺人事件」の被害者のK・T子さんである。問題は自立しない女性にあるが、さらに問題なのは、女性を自立させない法制や社会風土である。

 女性が決起する時代の到来を、筆者は伊藤詩織さんから感じ取っている。彼女への取材で東京新聞の望月記者が覚醒した。この二人が立ち上がれば、女性の地位に変化が起こるはずである。断言できる。

 前者は、安倍のための御用記者(TBS山口強姦魔事件)を世界にさらすことに成功している。後者は傲慢無礼な態度が鼻につく、官房長官の菅義偉を震え上がらせている。

 

 「檻の中で満足する日本女性」の決起を促している。

 

<レイプ文化の中で110番通報しなかった戦争遺児>

 他方の戦争遺児のK・T子さんの非情すぎる無念に対して、いまだに千葉県警は決着をつけられないでいる。「死人に口なし」をよいことに、介護施設を経営する3本指の入れ墨やくざの富津市出身の浜名は、警察の無能さをよいことに、いまだ自由の身である。

 

 逮捕して、うそ発見器にかければ、簡単に決着をつけられる性凶悪犯罪である。浜名にまとわりつくヘルパー吉田、大工佐久間という仲間も発覚している。司法取引も可能になった捜査をもってすれば、素人でも容易に決着をつけることができる殺人事件である。

 かの警察庁の中村格が支配する千葉県警であろうはずもないのだから。

 それにしても、無念の極みは、強姦されても110番通報をしなかった戦争遺児。そうさせない日本女性にこびりついてる、誤った倫理観が悔しい。性犯罪に消極的な、警察と検察と裁判所も災いの根源になっている。

 千葉県警は、宗教政党に遠慮しているのかもしれないが、法の支配は、たとえ安倍内閣でも軽視することはできない。

 

<日本軍に凌辱・殺害された婦女子に見向きもしなかった8・15追悼式>

 戦後50年というと、父親と会うことなくこの世に生をうけた戦争遺児がちょうど50歳の時である。筆者は南京と盧溝橋に平和の旅を計画、これを朝日新聞千葉版が大きく取り上げてくれた。おかげで大学の教師、高校の歴史教師、政治家秘書など50人が参加してくれた。

 ちょうどそのころ戦争遺児のK・T子さんも、母親の介護のため、子育ての地・秋田県本庄市から故郷に戻っていた。幼馴染の彼女に声をかけると、二つ返事で参加してくれた。娘や娘の恋人、親類の看護師と、それは熱心に取り組んでくれた。

 

 当時は、彼女が戦争遺児であるという認識が全くなかったのだが、帰国後にまとめた参加者による報告書「南京に立つ」を、例の事件後に開いてみて驚いた。彼女の父親は硫黄島へ輸送船で向かう途中、米軍機に攻撃され、船もろとも海の藻屑となってしまったのだが、その前には二度も大陸に狩り出されていた。

 父親は、彫刻家を目指していた芸術家志望の好青年だった。地主の次男坊で当時では、恵まれた家庭に育った。音楽はクラシックの愛好家で、彼の遺品に中にはレコードがいっぱい詰まっていた。

 要するに、戦争遺児は亡き父親が歩いた中国大陸を自ら歩いて、父への哀惜を遺そうという、第三者にとってそれは痛々しいものだった。

 

 彼女が、もしも遺族代表として武道館に立てば、天皇の軍隊に凌辱殺害された中国人女性や従軍慰安婦として散った、無数の無念の女性たちの霊に対して一言発していたであろう。

 

<人々の怒りの叫びが充満した韓半島>

 74年目の8・15の韓半島では、朝鮮民族の安倍批判の叫び、プラカードで埋まっていた。事態は日韓条約以前に戻ってしまった。否敗戦時の喜びと、その反動である怒りがないまぜとなって、半島を熱した。

 人々は、36年間の日本帝国主義による植民地支配を想起して、ケダモノのような日本政府にこぶしを振り上げた。

 政府は必死でブレーキを踏む立場に変わったが、果たして民族のエネルギーを止めることができるだろうか。ソウルの日本大使館前の1400回目の「水曜集会」には、2万人もの市民が、従軍慰安婦の象徴である少女像の前に結集した。

 

 従軍慰安婦と徴用工は、日本の植民地支配の象徴である。

 

 福沢諭吉のアジア蔑視は、女性蔑視・男尊女卑に起因する。それは日本の強姦文化と結びつく。TBS山口強姦魔事件救済という重罪を打ち消すことはできない。警察・検察・裁判所もまた、その枠の中で無責任に行われて恥じない。以下に関連記事を転載する。

2019年8月16日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)






誤認逮捕 ずさごくんな捜査の中身

愛媛・女子大生誤認逮捕 手記公開で分かったずさん捜査の中身産経新聞339

 松山市の20代の女子大生が身に覚えのない窃盗事件で愛媛県警に逮捕される誤認逮捕があった。女子大生は「不安、恐怖、怒り、屈辱といった感情が常に襲い、ぴったりと当てはまる言葉が見つからないほど耐え難いものだった」などとする手記を公表、県警本部長は謝罪に追い込まれた。県警はなぜ誤認逮捕をしたのか。そこには「思い込みによる捜査」というずさんな状況があったようだ。

…続きを読む

<千葉県警の「木更津レイプ殺人事件」捜査は大丈夫か>

<性犯罪被害者の悲痛な叫び<産経デジタル>

 「裁判所は私を守ってくれない」。裁判所が容疑者や被告の身柄拘束を解く基準を緩和する傾向を強めていることで、被害者の間では、報復に対する恐怖や不安を訴える声が上がっている。特に女性の心身に重いダメージを与える性犯罪では、被害者が裁判所への不信感から被害届を取り下げ、事件が潰れるなどの深刻な事態も起きている。(大竹直樹、入澤亮輔、北野裕子)

■「逆恨みされる…」

 大阪府内に住む20代女性は昨秋、自宅マンションの通路で見知らぬ男に背後から口をふさがれるなどの被害に遭った。約1カ月後、男は強制わいせつ未遂容疑で府警に逮捕された。大阪地検は勾留請求したが、大阪地裁は却下。「逃亡や証拠隠滅の恐れは否定できないが、被害者と接触しないことを誓約していることなどから勾留の必要性はない」として地検の準抗告は棄却された。逮捕から2日後、男は釈放された(その後、在宅起訴)。

 「私の被害って大したことないんだなと思った」

 女性は釈放を聞かされ、そう感じた。それと同時に男に逆恨みされないかとの恐怖が急にこみ上げてきた。それ以降、家族に駅までの送り迎えを頼み、外から自室の様子が見えないよう厚手のカーテンに替えた。釈放される際、男が裁判所に提出した誓約書には「女性の最寄り駅を利用しない」と記されていたが、最寄り駅はターミナル駅で、男は隣接する市に住んでいた。女性は「裁判所は私を守ってくれない」と感じ、一時は被害届の取り下げも考えたという。

 証拠が少ないケースが多い性犯罪では、被害者の証言が立証の大きなウエートを占める。ある地検幹部は「勾留が却下されたことで心を痛め、証言を拒否したり、被害届を取り下げたりする被害者は少なくない」と話す。

■複数前科あっても

 再犯率の高い性犯罪。複数の前科があったり、否認したりしていても、痴漢や盗撮といった迷惑防止条例違反事件では近年、勾留されることはほとんどないという。

 昨年10月、大阪府内に住む女子高生は、駅のエスカレーターで、3日連続で男(38)にスカート内を盗撮された。府警が防犯カメラを解析したところ、男は約3カ月間、この生徒を追い回していた。

 女子高生の母親は「娘は事件後、髪形を変え、男性に対する嫌悪感が残っている」と被害の「後遺症」を訴える。男は同様の事件で2度罰金刑を受けていたが、勾留請求は地裁に却下され、逮捕から2日で釈放された。母親は「犯人の人権が守られすぎているのでは」と苦言を呈した。

 女子高生の長女が電車内で痴漢被害に遭ったという父親(51)は「裁判所も釈放するなら犯人を管理することをしてほしい」と話す。長女は事件後、通学路を変え、家族も自宅から徒歩10分の距離に住む犯人の動向に気をもむ日々が続く。父親は「被害者保護の観点に立った施策が必要ではないか」と指摘する。

■「新居に住めない」

 東京都内に住む中学生の女子生徒は小学校低学年のころ、近所に住む20代の大学生の男に何度も自宅に連れ込まれ、性的暴行を受けた。男は数年後、強姦(ごうかん)未遂容疑で逮捕されたが、処分保留で釈放された。女子生徒は被害後、しばらく誰にも打ち明けられず、被害を訴えた時には日時を特定することが難しくなっていたためだ。

 男は在宅起訴され、東京地裁で昨年、強制わいせつ罪で懲役2年の実刑判決を受けたが、東京高裁に控訴し、今も裁判が続いている。いったん釈放されたため、実刑判決を受けながら今も同じ自宅に住んでいるという。

 事件後、女子生徒と母親は心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症した。加害者宅に近い購入したばかりのマイホームには住めなくなり、今もローンを払い続けながら、自宅から離れた場所にアパートを借りて住んでいる。加害者が恐ろしく、大好きだった自宅に戻ることができない女子生徒は声を振り絞るように言う。「ずっと刑務所に入っていてほしい。せめて東京から出て行ってほしい」

 母親は「私の子供に怖い思いをさせた性犯罪者を野放しにした。加害者の人権ばかりを守る日本の裁判所は明らかに間違っている」と憤る。

« 三等国になった日本<本澤二郎の「日本の風景」(3405) | トップページ | 戦争未亡人の声(上)<本澤二郎の「日本の風景」(3407) »

レイプ文化の日本」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 三等国になった日本<本澤二郎の「日本の風景」(3405) | トップページ | 戦争未亡人の声(上)<本澤二郎の「日本の風景」(3407) »

2022年7月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
無料ブログはココログ