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2019年4月14日 (日)

2019年危機(17)教育の致命的欠陥<本澤二郎の「日本の風景」(3284)

 

2019年危機(17)教育の致命的欠陥<本澤二郎の「日本の風景」(3284)

<日本の宝=憲法・9条を教えない戦後教育>

 日本の危機の根源の一つは、二つあるが、その一つが戦後教育の一大欠陥と断じることができる。目下の重大な日本危機に対して、若者は行動で示そうとしない。腰を上げて街頭に出ようとしない。このことは、日本に住む外国人にとって、到底理解できないことである。そのことさえ、全く理解しない学生ばかりである。

 日本の宝物は一つ。戦後生まれの日本国憲法である。なかんずく、その核心は絶対平和主義の9条である。軍艦に乗って他国を威圧する政府の存在を禁じた、まことにすばらしい21世紀の憲法である。

 この真実を国民・若者に教えてこなかった日本政府主導の戦後教育に、危機の核心が存在する。すなわち、戦後にいい教育者がいなかった現在の日教組の実情が裏付けている。本物の教育者不在、たとえいてもわずかだった。

 京大の井上清が列島に充満する戦後教育ではなかった。かくいう井上清を最近まで知らなかった、不勉強なジャーナリストだったのだが。

<二松学舎・嘉悦の6年間で確信>

 筆者には6年間、教壇に立った経験がある。嘉悦女子短期大学3年、二松学舎大学3年である。わずかすぎる謝礼にもかかわらず、6年通学して、学生の前に立った。

 すでに日本の大学は壊れていた。教室で、授業そっちのけでおしゃべりする学生が大半だった。見て見ぬふりをする、これを放任する教師が大半だった。

 筆者は、それを容認しなかった。学生本人と、背後の大金を出して勉強させる両親の苦労が目に浮かんだ。大教室でも、静かな授業をやり通したとの自負は、今も残っている。

 他方、年数回、中国の大学院で「日本」を教える授業も引き受けている。20人ほどの学生のおしゃべりは、皆無である。大学院生は、筆者の日本語だけの授業におお方、満足してくれる。

 日本での授業のさい、関連する場面で、9条のことを筆記させて、それを点検してみた。ほとんどの学生は知らなかった。彼らは小学校や中学校でも、日本の宝物の存在さえ教えてもらえなかった。高校でさえも、である。

<千葉市の介護士養成学校でも>

 大学の同窓生が、千葉市で土岐学園を主宰していた関係で、10年ほど毎年、介護士養成の専門学校の教壇に立った。介護士として身を立てようとする志の高い学生である。

 人間の命を支えるという崇高な若者たちで、多くが高校を卒業してきた。中には、職業を代えようとして必死で学ぶ学生もいた。

 人間の命を最も大事にする日本国憲法、殺し合いを断固として排除する憲法・9条のことを紙に書かせると、これが全然駄目である。彼らも学校教育で一番大事なものを本気で教えられていなかった。これまた悲しくも恥ずかしい今の現状である。

 311でも原発ゼロ運動に立ち上がらない若者、10%消費税でも、政府や自民・公明の偽りの説明に折れてしまう。いわんや特定秘密保護法や集団的自衛権行使・共謀罪など理解できない民衆が、多数を占める日本ということになるだろう。

<自民党文教族はすべて右翼・戦前派>

 振り返って、政権党の自民党派閥と20年、付き合ってきたジャーナリストもまた、教育に対して無頓着だった。近現代史がことさら重要であるという認識を、学校教育で放棄させられてきた。

 私立大学の受験では、歴史は選択科目に追いやられていた。真剣に近現代を学ぶ学生は、皆無に近かった。したがって、永田町取材でも文教族は、あまり重視しなかった。

 第一、文部大臣の多くは、右翼議員の独占ポストだと思い込んできたジャーナリストの関心が薄い分、右翼の文教族が、歴史教育を捻じ曲げる、歪曲する機会が多かった。

 文教族の海部俊樹が首相として、シンガポールで演説したとき、彼が「これから日本も近現代史を教えていく」と発言したが、それで文部官僚がそれに従ったわけではなかった。この海部発言が、日本の歴史教育の正体を暴いたのだが、国内外の学者は無視した。

 ちなみに五輪利権にしがみついている安倍晋三の後見人・森喜朗も文教族である。韓国や中国との間で問題が表面化するのも、これは当たり前のことなのだ。

<例外は河野洋平、しかし息子は右翼の麻生派>

 自民党の文教族に一人だけ、リベラル派がいた。今でも日中友好運動に奔走している河野洋平である。平和軍縮派の宇都宮徳馬の薫陶を受けた人物で知られる。

 河野を盛り立てた政治家が宮澤喜一。宮澤の叔父が信州の小川平二、父親は孫文と交流のあった平吉。息子が満鉄に就職したいというと、平吉は烈火のごとく拒絶した。「よそ様に土足で走っている鉄道なんて、許されない」と息子を叱った。

 

 この伝を敷衍すると、東京五輪は廃止するしかない。放射能汚染について、大嘘を垂れ流し、しかも買収して獲得した東京五輪に、大義などあろうはずがない。金メダルも腐臭に満ちていまいか。買収五輪を若者が知ったら、果たして胸を張れるだろうか。安倍・自公・日本会議の罪は大きすぎる。

 余談といえるかどうか、因縁なのか、首になった桜田の後任の鈴木俊一の夫人は、たしか小川一族から嫁いでいる。鈴木の胸中もいかばかりか。

 

 いま外務大臣は河野の息子である。期待したが、とんでもない右翼政治屋の一人だった。さぞかし父親は衝撃を受けているだろう。これも戦後教育の悪しき成果といえる。

<4・24集会と5・3憲法集会に大結集>

 絶望の2019年危機を連載していると、どなたかがまともな政治集会のパンフを郵送してきた。

 

 文京区区民センターで行われる4・24集会。「朝鮮半島と日本に非核・平和の確立を!」の市民連帯行動実行委員会。

 連絡先は「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会、1000人委員会、9条を壊すな!実行委員会、憲法共同センター。2019 3・1独立運動100周年キャンペーン、ピースボート。

 6月7日には18時30分から日比谷野外音楽堂で集会と銀座デモ、翌日は午後、星陵会館で国際シンポジウム。

 

 もう一つが、5・3憲法集会を有明の東京臨海防災公園で11時スタート。「平和といのちと人権を!5・3憲法集会2019-許すな!安倍改憲発議ー」

 

 15時からパレード。三々五々の10万、ないしは100万の民衆が、信濃町と安倍邸を包囲したら、どうなるか。

 

 一つ残念なことがある。10数年、ライブドアブログに掲載してきた「ジャーナリスト同盟」通信(本澤二郎の日本の風景)が先月、3月25日で突然、打ち切られてしまった。ライブドアによる言論弾圧事件である。背後に官邸の存在が透けて見えるのだが、われは権力に屈せず!宇都宮徳馬の遺言である。

2019年4月14日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

 

 

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